近所のお兄さんシエテは物心ついた頃から一緒にいる”近所のお兄さん”だ。
血のつながった家族というわけではないが、父親が家を空けていることが多いグラン達にとって彼は家族のような存在だった。
12歳年上のお兄さん。グランの中でのシエテはそんな立ち位置だ。
強くて、優しくて、料理上手で、裁縫だって出来る。
出来ないことなんてない、まさに”理想のお兄さん”であった。
「ジータちゃん!グランちゃん!今日は何食べたい~?」
「わたしオムライスとハンバーグとエビフライ!」
「ジータちゃんは食べたいものがいっぱいだね~グランちゃんはー?」
「ぼくは…ジータといっしょでいい…」
「そー?じゃあ…今日はお兄さん特製お子様ランチにしよっかな~!」
シエテに手を繋がれて歩くジータとグランは、傍から見れば仲のいい”3人きょうだい”に見えるだろう。
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