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    gorilla_otaku_2

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    gorilla_otaku_2

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    小説風にするのを面倒くさがりました

    エケちゃんと千冬のデート最近変な新入りが入った。名前は松野千冬。圭君と同じ学校で俺の1個下の後輩。新入りは全員俺の可愛さに惚れるはずなのにアイツは俺を男だとわかった上で仲良くなりたいとか言いやがった。腹立つ…あんな中坊に俺の可愛さが通用しないとかありえない!絶対1回は俺に惚れさせてみせるからな!


    「えっ、今度の日曜日っすか…?」
    「そ、俺の買い物に付き合って。荷物持ち」
    「お前この前も買い物してなかったか?」
    「あれはお姉さん達へのプレゼント用!今回のは俺の買い物なの!あ、圭君も俺の買い物付き合ってくれるの〜?」
    「やだわ。お前長いし荷物多いし」
    「ってことだからよろしくね、ちーくん」
    「わかりました!任せてください!」


    そして待ちに待った日曜日。今日のためにいつも行ってる美容室でヘアセットしてもらったし、メイクも1番盛れるメイクにしたしお洋服は1番可愛くて1番高い服にした!靴も今日のために新しいものを買った!この完璧な女装を前にしたちーくんは俺の可愛さにキュンキュンするに違いない!いける!

    「あ、エケく……えっ」
    「ちーくん、こっちこっち〜」
    「え、エケ君なんで女装を…」
    「んー?せっかくのショッピングだし男2人で行くんじゃつまらないでしょ?いつも他のチームを調査する時は女装して探ってるから慣れてるんだ〜可愛いでしょ〜」
    「はい!ホントに女の子みたいです!なるほど…こうやって他のチームの情報を取ってたんですね!さすがエケ君っすね!」
    「え?えーっと…」(そういうことじゃなくて俺の可愛さを…)
    「じゃあ買い物に行きましょっか!エケ君」
    「う、うん…」


    その後も、リップの色を変えてみたり、スカートの裾を短くしたりしてみたが、全く俺になびいている様子がない。もしかしてコイツ…視力が悪かったりするのか…?


    「いたっ…」
    「えっ、どうしました?」
    「……靴擦れしたみたい。今日の靴、新しいやつだから…」
    「うわっ、血が出てるじゃないっすか!今絆創膏買ってくるんでこっちに座っててください!」
    「…うん」

    あーあ。惚れさせる作戦は失敗するし靴擦れ起こすし…かっこわる。あんな新入り1人になんでここまで躍起になってるんだか…もう帰ろ。

    「よいしょっと。タクシー拾えないかな〜、荷物重いし足痛いしマジで最悪…」
    「お姉ちゃん可愛いね〜?1人なの?」
    「あ?」

    誰かに肩を掴まれたので振り返ると、カラーギャングのような見た目の男3人がニタニタした顔で俺に話しかけてきた。うわ、きもっ…

    「話しかけんなよ。今機嫌悪いから」
    「えーなに?彼氏にふられちゃったとか?」
    「違うから。どっか行ってくれる?」
    「冷た〜wでもそういう女ってそそられるわ〜」
    「わかる〜!ねえねえ、あそこのカラオケ行こうよ。俺らが奢ってあげるからさ〜w」
    「……」




    レジが混んでて遅くなっちまった!エケ君が待ってるのに!(※待ってない)
    って…あのヤンキー達に絡まれてる人…エケ君なんじゃ…!

    「テメェら何気安くその人に触ってんだ((
    「グボッ」

    ヤンキーたちの方へ走り出した俺の視界に入ってきたのは宙を舞う大柄な男だった。そして、蹴りあげたであろう足を下ろしながら、エケ君はため息をついた。

    「いい加減にしろよ。お前ら、毎回女の子にそんなゲスな誘い文句使ってんのかぁ?」
    「ひ、ヒィッ…」
    「女の子に不快な思いさせるようなことしてんじゃねぇぞ。男の恥さらしが」
    「な、なんだよコイツ…!」
    「ちっ、行こうぜ!」
    「くっそ…このブスが!お高くとまってんじゃねぇぞ!」
    「はぁぁぁぁおい待てテメェら!俺のどこがブスだ!超絶美少女だろうが!」

    足の痛みを忘れてるのか、完全にヤンキーモードになってしまったエケ君がナンパ男達を追いかけようとする。やばっ、早く止めなきゃ!

    「エケ君待ってください!」
    「!」
    「足傷んでるんですから走ったら危ないですよ」
    「……ちっ」
    「にしてもあのキック、カッコよかったっすね〜!前にも言いましたけどやっぱりエケ君は少女漫画の男主人公っすよね〜!」
    「……」

    エケ君は俺が絆創膏を貼っている間、終始不機嫌そうな顔で俺を睨んでいる。俺、またなんか余計なこと言ったのかな…

    「…さっきの言葉、気にしてるんすか?」
    「別に!エケちゃんはブスじゃないって分かってるし!なーーーんとも思わないから!」

    やっぱり。さっきの言葉思いっきり気にしてるし不貞腐れてるなぁ…

    「ホントですよね。エケ君は可愛いっすもん」

    そう言って顔を上げると、エケ君がぽかんとした顔をしていた。えっ?ど、どうしたんだ?

    「俺のこと……可愛いって言った?」
    「えっ、あっ、すいません!可愛いって言うの失礼でしたかつい思ってたことを…」
    「ねえ、俺のこと可愛いって思ったんだよねそうだよね」

    エケ君は確かめるように俺の肩を掴んで、顔を近づける。これは…思ってたこと口に出していいってことかな…?

    「は、はい…今日来た時からずっと思ってたっすよ。少女漫画のヒロインみたいでスゲェ可愛いな…って」
    「マジか…なんでそれ言ってくれなかったんだよ!」
    「言った方がよかったんすか?じゃあこれからは毎日言いますね!」
    「へっ」
    「エケ君、すっごく可愛いですよ。エケ君だって知ってなきゃうっかり好きになっちゃいそうなくらいです!」
    「な……っ」
    「あとはメイクがピンク色でまとめられててすごい女の子らしくて可愛いな〜ってとこと〜、ツインテールにカールついててお姫様みたいに可愛いな〜ってとこ、あとネイルがエケ君のメッシュと同じターコイズ色で可愛いっすよね〜それ自分でやってるんすか?器用ですよね〜!喧嘩が強いだけじゃなくて女子力もあるなんてすごいです!」
    「もういいっ!」

    突然掴まれていた肩を突き飛ばされて後方によろける。エケ君は顔を真っ赤にして俺を睨んできている。

    「あ、あの…」
    「…………褒めすぎ」
    「エケ君…照れてるんすか?」
    「違う!」
    「エケ君って意外と子供っぽいとこあるんすね!隙がない人間だと思ってたんすけどなんか親近感感じました!」
    「……」

    あっ、拳強く握ってる。ヤバいこれは殴られるかも…!
    歯を食いしばり、目をギュッとつむって衝撃に備えたが、特に頬や体に痛みは無い。おそるおそる目を開けると、エケ君が俺の前に拳を突き出していた。

    「手ぇ出して」
    「は、はい…」

    手をおわん型にして出すと、エケ君が拳を開き、俺の手にポスッと何かが落ちた。
    これって…リップクリーム?

    「アンタ、最近喧嘩しまくって唇切ったりしてガサガサになってるから…見てらんなくて。スペアにしようと思ってた俺の分、あげる」
    「えっ、いいんすかで、でもこれブランド物っすよね…?母ちゃんがたまに使ってる化粧品のロゴ入ってますし…」
    「気にしなくていいよ。アンタの口がガサガサな方が気になるから」
    「わかりました…あ、あのっ、これ大事に使いますね!」
    「…ぷっ、大事にしたら使えないだろ笑」

    そう言ってエケ君はふふっ、と笑った。
    その笑顔がいつもより自然体に見えて、この人のホントの笑顔はこっちなんだろうなって直感した。

    「俺、もっとエケ君が笑顔になれるように毎日褒めますからね!」
    「はいはい。よろしくね」
    「任せてください!あ、荷物持ちますよ!」
    「タクシー呼ぶからそこまででいいよ〜」
    「えっ、タクシーで帰るんすか金持ちっすね…」
    「今日はスカートだからバイク乗れなかっただけだよ。今日は靴擦れしちゃったしエケちゃん帰るね」
    「あっ、そうっすよね。わかりました!」
    「じゃあ…また遊ぼうね、ちーくん♡」


    これが2人が初めて遊んだ日の話。2人が恋心に目覚めるにはもう少し…
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