目の前で繰り広げられる光景に、ヨンは丸い目をさらに大きく見開き、しばしそこから視線が離せなかった。
地方の税務署で働くファン・ドンジュもオ・ヨンも昔とは違い息を吐く間もなく仕事が押し寄せてくるので月に一度でも会えれば良い方だ。
金曜の夜、少し疲れた顔をしたドンジュがはるばるソウルへとやって来たのは勿論ヨンに会うためだった。
ずっと前から会いたいとメッセージを送ってはいたがなかなかタイミング合わずようやく約束を取りつけた。
ヨンが指定した店で待ち合わせをし、数か月にぶりに見るヨンは相変わらずでドンジュの顔を見るなり少し気難しそうに眉を寄せた。
「何です?」
「……少しやつれたか?」
「え?」
「疲れた顔をしてるな。無理しなくてもいいと言ったろ」
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