Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    HEMO

    @hemogie_trpg

    TRPGネタバレ回避用!

    TRPGまとめページ
    https://x.gd/sNvHP

    ふせったー
    https://fusetter.com/u/hemogie_trpg

    ぷらいべったー
    https://privatter.me/user/hemo

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 🎉 🎊 👯
    POIPOI 66

    HEMO

    ☆quiet follow

    卓ネタバレはなし
    まつあま。

    流星→徹夜くんの源氏名

    ##よその子
    ##松風冬夜
    ##まつあま

    流星群松風冬夜は、売れっ子漫画家だ。
    毎日締め切りに追われるレベルで忙しい。
    だが、ひとつの連載を無事に執筆しきり、少しの休みが取れた。
    それならば、と以前より描きたいと思っていた漫画のネタ探しにとある場所を訪れていた。

    薄暗い店内には妖艶なBGMが流れている。
    訪れたそこは、バニーボーイのコンセプトバー。
    「ルナティックラヴァーズ」という名前に相応しく、どこか幻想的で非日常的な空間だった。
    冬夜はカウンター席に座り、周りを見回した。
    客層は意外にも幅広く、若い女性からビジネスマンまで様々な人がいる。

    「いらっしゃいませ。ご指名は?」
    とボーイが尋ねた。

    「いや……初めて来たんで……」

    「お客様ラッキーですね。
    今日は、ナンバーワンの子が丁度空いておりますよ」

    「へえ……じゃあその子をお願いできますか」

    「ええ、ええ!
    流星はね、本当に綺麗なんですよ!」

    と言われて奥へ案内された。

    しばらくすると一人の男がやってきた。
    男……だと思う。
    性別がわからないレベルで美しい容姿の彼こそが流星。
    その名に恥じぬ存在感だった。
    白い肌に黒いバニースーツ。そして何よりも目立つのはつやつやのウサギ耳。
    彼の瞳は大きく、星々が流れているようで、宝石のように輝いて見えた。
    その瞳が冬夜を捉えた瞬間、冬夜は固まって動けなくなった。

    「はじめまして。お越し頂きありがとうございます。僕は流星と言います」
    と優雅に頭を下げると、
    「こちらへどうぞ」
    と隣に座った。

    冬夜はどうしても落ち着かず、
    「あの……こういう店って初めてだから……どうすればいいか……」
    と苦笑いで言った。

    流星は微笑みながら、

    「大丈夫ですよ。 どんな方でも初めては不安だと思います。
    ここではリラックスして楽しんでいただければいいんですよ」
    と静かに答えた。その声には安心感があった。

    「ありがとう。 あ、敬語、使わなくていいよ」

    「そう? じゃあ、お言葉に甘えて」

    二人の会話は徐々に打ち解けていった。
    最初は戸惑っていた冬夜も、流星の人懐っこさと明るく朗らかな態度に心を開いていく。
    ああ、これが『プロ』ってやつなのか。

    「漫画家さんなんですか? すごいなぁ」

    流星が言うと、
    冬夜は照れながら答える。
    「まぁ、一応……。
    実は今回、次に描く予定のマンガの取材、って感じで来てて」

    流星は驚いたように目を丸くした。

    「そうなんだ! それは光栄だな」

    冬夜は少し考え込むような表情をしてから続けた。
    「ただね……私の中ではまだキャラクターの性格とかがうまく固まってないんだ」

    流星は真剣な眼差しで聞いた。
    「そうなんだ」

    冬夜はグラスを傾けながら続ける。

    「主人公のモデルを探しているんだけど……
    なかなかぴったりくる人がいないんだよ。
    君みたいに綺麗すぎる人だと尚更難しいかも」

    流星は軽く笑いながら言った。

    「そんなことないと思うけどなぁ」
    「いや本当だって!」
    と言い返しながら冬夜は急に顔を赤らめた。

    「ごめん……変な意味じゃないんだ。
    ただ君を見てるとちょっと刺激を受けすぎるっていうか……」

    流星はじっと彼を見つめた後、小さく頷いた。
    「なるほど。 そういう視点で見るんだね」

    その後も二人の会話は尽きなかった。
    互いの仕事について深く話し合い、
    それぞれの情熱や悩みを共有する中で次第に距離が縮まっていった。

    「コンセプトバーってどんな感じなんだろうって思ってたけど、
    君みたいに真剣に仕事に取り組んでる人もいるんだね」 

    と言うと、

    「それはもちろんそうだよ。
    お客さんに楽しんでもらうために全力を尽くしてるよ。
    冬夜さんも仕事には真剣に向き合ってるからこそ、こうして取材に来てるんでしょ?」

    流星は笑顔で答えた。

    「僕は、この仕事に誇りを持ってやってるんだ」

    彼の夜空のような瞳が輝く。
    きれいだ、と思った。

    その言葉を聞いて冬夜は一瞬ドキリとした。
    そして同時に、自分の中に湧き上がる感情に戸惑っていた。
    これが単なる好奇心なのか、それとも別の何かなのか。答えが出せない。
    が、今目の前にいる美しい青年に対して素直になろうと思った。

    「そうか……本当に素晴らしい職業だと思うよ。
    こんな素敵な場所を作っているなんて凄い事だと思うし」

    その時初めて気づいた事があったので尋ねた。

    「ところで君さっき“今日は”空いているって言われたよね?
    いつもなら予約で埋まってるの?」

    疑問をぶつけたところ、

    「そうだよ?」

    と平然と返されて思わず苦笑いするしかなかった。

    「人気者なんだね」

    流星は少し照れ臭そうに笑う。
    「有り難いことだよね」

    冬夜はふと思いつきを口にした。
    「もしよかったらもっと教えてくれないかな?」
    「え?」

    不思議そうな表情をする彼に対して続けて提案した。
    「君のこととか色々聞かせて欲しいんだ」

    そう言われると流星は嬉しそうに微笑んだあと頷いてくれた。

    それから数時間もの間語り合った。
    仕事のことや趣味のこと。
    全てが新鮮であり楽しく有意義であったことは確かだ。
    なのに、冬夜は少し上の空だった。

    住む世界が、違いすぎる。

    こんな夢のような空間で、No1の売れっ子で。
    人形のように整った顔。
    綺麗な体。穏やかな声。
    自分とは正反対の人種だ、と。

    だからきっとこの話もこれっきりになるのだろう、と心の隅で思ってしまったせいかもしれないが、
    何故か少しだけ寂しかったということだけは覚えている。
    それにしても、ここまで親身になって接してくれるとは想像以上だ。

    帰り際、呼び止められる。

    「そうだ、あなたの漫画を読んでみたいな」

    流星の言葉に驚いた。
    「興味、あるの?」

    「もちろん。
    あなたが描く世界にすごく興味があるな」

    冬夜は少し考えてから
    「……今度持ってくるね」
    と、少し照れながら返す。

    「楽しみにしてる。
    また会おうね、冬夜さん」

    別れ際に流星がそう言って微笑んだとき、
    胸の奥で何かが疼いた気がした。
    それが何なのか分からず悶々としたまま帰路についたのであるが……


    ――


    「これは! 営業トーク! だよな!!!」

    冬夜は自宅に戻るなりそう叫んだ。
    あんなに綺麗で優しくて完璧な人が、自分の作品なんかに興味をしめすはずがない。
    読みたい、と言っておいて次にまた来店させる口実を作っているのだ。
    きっとそうだ。 そうに違いない。

    「……はあ」

    ベッドに倒れ込む。
    少し、飲み過ぎただろうか。

    目を閉じていると思い浮かぶのは流星の表情。
    自分の話を聞くときに本当にきらきらとした笑顔を見せてくれるものだから。
    勘違い、しそうになる。


    ――


    数日後、冬夜は再びバーを訪れていた。

    「……まんまと来てしまった」

    今回の目的は漫画を持参することだった。
    あの日のの出来事を思い出すだけで鼓動が早くなるのを感じたが、
    どうにか冷静を保とうとしていた。
    既に何人かのお客さんがおり賑わっている様子だったため少し躊躇したが、
    意を決して扉を押す。

    「いらっしゃいませー」
    という元気な声と共に現れた従業員達によって席へ案内されると、
    そこには見慣れた姿があり安堵した気持ちになった。

    その人物、流星はこちらを見るなり驚いたような顔をして、
    すぐに柔らかい笑みを浮かべてくれた。
    それにつられて自然と笑みがこぼれてしまう。

    「冬夜さん! また来てくれたんだ!」

    改めて見ると、やはり彼の美しい容姿には圧倒されてしまうばかりだ。

    「前言ってたマンガ、持ってきたんだ」

    冬夜がそう言うと、

    「あ! ちょっと待っててね」

    と流星は店の奥に姿を消した。
    何事だろうと待っていると、

    「お待たせ!」

    と言って席に戻ってくる。
    その手には……冬夜の漫画の単行本が握られていた。

    「へ?」

    思わず気の抜けた返事をしてしまう。

    「冬夜さんのマンガ、探して読んでみたよ!
    検索したらすぐ出てきたよ。
    人気なんだね、すごいなあ!」 

    その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になり言葉を失ってしまった。
    まさか本当に読んでくれたのか?
    それどころか持参しているなんて信じられない。
    流星が差し出したそれは紛れもなく自分の作品だ。

    「あ、ありがとう……」

    なんとかそれだけ言うと、席に案内される。
    流星は嬉しそうに微笑んだまま続けた。

    「本当に感動したよ。
    特に主人公の心情描写が秀逸で……思わず感情移入しちゃった」

    彼はそう言いながら、さらに続けた。

    「この主人公の葛藤がすごく伝わってきたよ。
    彼は、自分の置かれている立場や環境に悩みながらも必死に生きようとしてるんだよね」

    流星は真剣な眼差しで語り続ける。

    「そして何より、彼の成長していく姿が描かれているところが素晴らしいと思ったんだ」

    冬夜はただ黙って聞いているしかなかった。

    まさかここまで褒められると思っていなかったからだ。
    しかも流星のような人に……。
    嬉しい気持ちと同時に恥ずかしさが込み上げてくるのを感じたが、やはり嬉しさの方が勝っていた。
    そんなことを考えているうちにも話はどんどん進んでいく。

    「……ほんとに、読んでくれたんだ」 
    思わずそう呟くと、流星は不思議そうな顔をしていた。

    「当たり前でしょ!」

    そう言って笑う姿は子供っぽくて可愛らしく思えた。

    「素敵な作品だったから、せっかくだしお礼したいなって思って」
    「お礼?」
    「そう、いい話を描いてくれた冬夜さんにお礼!」

    冬夜は戸惑った。
    「お礼なんていいよ」
    と断りかけたものの流星からの押しに負けてしまい、結局承諾してしまったのだ。

    「何かして欲しいこととかある?」

    そう言われたもののすぐには思い浮かばない。
    すると、流星の方から提案があった。

    「そうだ! お酒を作ってあげるよ」

    そう言われて思わず戸惑うが断るわけにもいかず、そのまま成り行きに任せることにしたのだ。

    それからしばらくして差し出されたのは綺麗な黄色のカクテルだった。
    口に含むと爽やかな風味が広がるとともに、アルコール独特の苦味が残る感じがした。
    しかしこの不思議な味わいはとても美味しかった。
    飲みやすい上にとても良い香りが口の中に広がり幸せな気分に浸ることができる。
    こんな経験は初めてだったものだから感動すら覚えたほどだ……。

    「これは何て名前のカクテルなの?」

    「名前はないよ、冬夜さんの作品をイメージして作ったんだ」

    そう答える流星の顔はとても満足気で嬉しそうな笑顔だった。
    そんな表情を見ているとこちらまで嬉しくなる。
    同時に胸が熱くなるような感覚に襲われた。

    「ありがとう、すごく美味しいよ」

    冬夜は素直に感謝の気持ちを伝えた。
    すると流星は嬉しそうに微笑んだ後、少し考える素振りを見せてから言ったのだ。

    「僕、冬夜さんのことが気になるな。
    だからまた飲みに来てね。」

    と……
    その一言が妙に印象に残ったのを覚えている。


    ――


    それからというもの、冬夜は再びバーに通うようになったのだが……
    それは決して営業トークを真に受けたからではない。 断じてない。
    そう自分に言い聞かせる。
    だってそうだろう。
    相手はNo1の売れっ子なのだ。
    そんな人が自分なんかに興味があるわけないじゃないか!
    それに、もし本当に営業だったとしても……それはそれで構わないとすら思えるようになったのだ。
    それくらい彼に惹かれている自分に気づいていたからかもしれない。


    ――


    「また来たよ」

    店に入るなりそう告げると従業員達は皆笑顔で出迎えてくれたが、流星の姿だけが見当たらなかった。
    不思議に思っていると一人の従業員が近づいてきて教えてくれた。

    「流星さんなら今接客中ですよー」

    そのまま待つことにしたのだが、
    しばらくして戻ってきた彼はどこか疲れているように見えた。

    「冬夜さん、来てくれたんだね」

    そう言って微笑む姿はとても優しげで見惚れそうになったものの、慌てて頭を振った。

    「あ、あの……」

    何か言わなければと思うが言葉が出てこない。
    そんな様子を見て察してくれたのか、流星は微笑みながら言った。

    「……待たせたお詫びにご馳走させてよ」

    と誘われてしまったものだから、断れるはずもなく付いていくことにした。

    カウンター席へ案内されたあと差し出されたカクテルは綺麗な青色をしていた。
    一口飲んでみると爽やかな柑橘系の香りが広がる。

    「きれいだね、流星の色だ」

    そんな言葉を口にしてはっとする。
    なんだよ流星の色って! めちゃくちゃはずかしい表現してるぞ今!
    そう思って恐る恐る流星の顔を見ると、彼は穏やかな表情を浮かべていた。

    「ありがとう、嬉しいな」

    照れたような笑顔を見た瞬間、胸が高鳴った気がした。

    「流星、今日、疲れてる?」
    そう聞くと流星は少し困ったように笑った。

    「表情に出てた? ……プロ失格だね」

    やはり何か悩み事でもあるのだろうか。
    心配になり声をかけようとしたがその前に遮られてしまった。

    「大丈夫だよ、冬夜さんに会えて元気出たから」

    そう言われて思わず顔が熱くなるのを感じる。

    営業トークだ!!!

    すかさず脳内で自分に言い聞かせる。

    苦手な客でもいるのだろうか。

    「あの……大丈夫?」

    「大丈夫だよ、ありがとう冬夜さん」

    「苦手な人がいるなら、ちゃんと断った方が……」

    「え?」

    流星は意外そうな顔をしてから少し考えて言った。

    「もしかして、心配してくれてる?
    ……優しいね冬夜さんは。
    一緒ににいると落ち着くよ」

    ああそうだ! 営業だ! これは営業トークなんだ!!
    そう自分に言い聞かせて必死に平静を保つ。

    しかし流星の笑顔を見るとどうしても胸が締め付けられるような感覚がして落ち着かなかった。
    そんな冬夜の様子を見て何か察したのだろうか、
    彼は少し考える素振りを見せてから言ったのだ。

    「慰めようとしてくれてるんだね……じゃあさ、
    今度描く漫画の主人公のモデル、僕にしてよ」

    「へ……?」

    思わず聞き返してしまうが流星はただ微笑むだけだった。

    「前から思ってたけど、冬夜さんの描く漫画って描写にリアリティーがあって、すごく面白いよ」

    「……そうかな?」

    そこまで褒められるとさすがに照れくさかった。
    しかしそれ以上に嬉しかったのも事実だ。
    自分の描いた漫画をここまで評価してくれる人がいることに喜びを感じていたのだ。

    「ここには元々取材に来たんでしょ?」

    ……そうだった。

    もはや普通に客として来ているが、元々の名目は「取材」であった。
    それを忘れるほどにのめり込んでいる。
    ……危ないな。

    「冬夜さんの描くマンガ、また見たいな。
    そしたらすごく、元気が出そう」

    そう言って笑う彼に、胸が高鳴った。

    「……流星がまた読んでくれるなら、いくらでも描くよ」

    思わず口から出た本音に自分でも驚いていたが、
    彼は嬉しそうに微笑んだまま答えてくれた。

    「うん! 楽しみにしてる!
    ありがとう、冬夜さん」

    そう言うと彼は嬉しそうに微笑んだ。

    どきりと心臓が高鳴るのを感じたものの、必死に平静を保つ。
    駄目だ、これは営業だ!
    そう自分に言い聞かせるも、胸がきゅっと締め付けられるような感覚がして落ち着かない気分になる。

    ふと視線を感じて顔を上げると、流星が不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。
    慌てて目を逸らしたのだが、それがいけなかったようだ。
    彼は自分の方へと近づいてきて顔を覗き込んできたのだ。

    近い近い!! 近すぎる!!!

    心の中で絶叫する冬夜に構わず顔を近づけてきたと思ったら、
    耳元で囁かれた言葉に頭が真っ白になる。

    「冬夜さんって優しいね。 大好きになっちゃいそう」

    そして顔を離した流星にきらきらと眩しい笑顔を向けられて、
    冬夜はしばらく固まっていたが、やがて自分の顔が赤くなっていることに気づく。

    「あの、流星……?」

    そんな自分の様子が可笑しかったのか、流星はくすくすと笑っていた。

    その後も他愛のない話をし、

    「また来るね、流星」

    そう言って店を出たあともしばらく胸の高鳴りは止まなかった……。

    だめだ。 これはよくない。

    取材取材取材!!!
    脳内でそう言い聞かせる。

    帰宅途中で、ふと空を見上げる。
    そこにはたくさんの星々。
    そのうちのいくつかが流れるのが見えた。

    ああ……そうか、今日は確か流星群の日だったな。

    都会から見える星は貴重だ。
    普段は目を凝らしたってあまり見ることができない。

    星……といえば。
    流星のことを思い浮かべる。
    その綺麗な瞳にはまるで星が宿ったようだった。
    あんな瞳にまっすぐ見つめられて、平常心を保っていられる人間なんてどのくらいいるだろうか。

    そんなことを考えながら自分のマンションにたどり着く。
    今日も飲み過ぎたな、なんて考えながらドアを開け、
    さっさと部屋着に着替えて水をがぶがぶと飲み干す。

    そうだ、取材なのだから、
    彼をモチーフにした漫画を描いていたって何も不思議じゃない。

    断じて!
    流星にお願いされたから描く訳じゃない。
    そう自分に自己暗示してデスクに向かう。

    驚くほどすらすらと筆が進むことに自分で笑ってしまう。

    星空のような瞳。
    つやつやの髪。
    綺麗な唇。
    きらきら輝く笑顔。

    描き上がったバニーボーイは、
    もう、どこからどう見ても流星そのものだった。

    「ああーーー……」

    冬夜は机につっぷした。

    完敗だ。

    「好きだなあ」

    ぽつりと、そう呟いた。


    ――


    そんな高嶺の花の彼が、
    のちに自分の妻になるなんて、この時の自分は知る由もないだろう。




    ――







    冬夜くんがほだされていく過程。
    完敗です。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💯🐰🍸✒💸🍣💛💙💒💎
    Let's send reactions!
    Replies from the creator