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    🐊ちゃんおめでとう小話

    質素な宴「「年齢なんざ只の数字だろ」」
    己の発した言葉に道化の声が重なった。
    「言うと思ったぜ」
    クロコダイルは走らせていたペンを止めジトリと睨んだ。
    紫煙の影からニカリと歯を見せ笑うバギーの、その調子づいてる態度に眉間の皺が深くなる。
    「そう睨むなってェクロちゃん。どうせ皆年はとるんだ。なら呑み明かそうぜェ?骨になっちまうまでよぉ」
    「そうよボス。主役がいないと意味がないわ」
    バギーの言葉にうんうんと頷く幹部数名。招待された元BWの社員達が喚く傍ら、静かに目を閉じコクリと頷く鷹の目とダズ。
    「別に宴は嫌いじゃねェ。程度の問題だ」
    「ムギュッ」
    味方が多く気が大きくなっているのかケラケラと笑うバギーの顔に、先月分の請求書を押し付けると赤鼻から間抜けな音がした。
    「で、でもよぉクロちゃん。今回は前よりかは幾分質素だし?」
    「幾分」
    ――先月、数日に渡って祝われたバギーの生誕祭。バギーを慕う部下達が何週間も前から張り切り、想像を超える派手な演出だった。著名な管弦楽団の生演奏と共にワイヤーで釣り上げられた巨大なバギーのオブジェ。その中から着飾ったバギーが登場。更にスモークの中から現れたのは天井に届きそうな程のバースデーケーキ。
    バギーの才気ある接待により新たな傘下や出資者を獲得したとはいえど。祭りの後に残された大量の請求書を前に、クロコダイルは頭痛を覚えていた。
    「なぁ行こうぜ。もう宴の準備は出来てんだ。参加して貰わねェ
    と話にならねェ。有難うの一言でも言ってやれば部下達も喜ぶってもんだ」
    「ほらボス!ペンなんか置いてグラスを持って」
    バギー達に誘導され気が進まないまま露台から顔を出すと野太い歓声が上がった。
    「サー・クロコダイル―!」
    「一生あんたについてくぜ!」
    生誕歌の大合唱と共に登場した巨大なバースデーケーキには蝋で造られた己の像そしてその見事な彩色。
    『どこが幾分質素なんだ』
    クロコダイルは溜息交じりに苦笑すると、ミホークに注がれた極上の赤ワインを掲げた。

    「「「お誕生日おめでとうございます。サー・クロコダイル!」」」
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