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    isogisogin

    @isogisogin

    レンギマ好きです。ギーマさん好きです。
    いつもありがとうございます。

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    isogisogin

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    レンギマのなんかしっとりした短い話です。ゲ…ムシンクってこういうシステムだったような気がする(あんまりやったことない上にうろ覚え)。時系列も曖昧です。

    夢の狭間「きみは、今の姿の自分が本来の自分ではないと…違う姿になりたいと、思ったことはないか?」

    「ああ…そう考えたことはあるかな」

    若きリーグ制覇者が、そんな事を話していたことがあった。
    こことよく似ているが、少しだけ違う世界に、今の自分とは異なる姿で訪れる体験。
    ギーマも、その話を思い出しているのだろう。そう問うと、「きみも聞いていたか」と返された。

    「今は、そう思わないのか?」

    「リーグを訪れる挑戦者たちと対峙する中で、彼らから見えるわたしの姿に、わたしは誇りと責任を持たねばいけないと思うようになった。それが息苦しいと思わなくなったのは、お前と抱き合う時間は本来の自分でいられるからだろうな」

    「何?誘ってるのかい?」

    「馬鹿を。ただ思った事を言っただけだ。そう言うお前はどうなんだ」

    「わたしは、ね……。自分の軸は見失わないようにしている。勝負の世界では、一瞬の意思の揺らぎも命取りだからね。それでも、時折虚しくなることはあった。失った過去を思うとね。もしもどこかで運命が分岐したのだとしたら、失わずに済んだ世界があったのかも、と……」

    「……わたしを得た今の世界では不満か」

    「ふふ、話は最後まで聞きなよ。きみが言ったように、わたしもきみとの時間の中では、本来の自分を取り戻せる気がしているんだ。だから、ね……弱みも見せ合えるだろ」

    「……すまん。お前が不安な時に、私が飲まれるわけにはいかなかった」

    「謝ることはないさ。きみのそういう優しいところは好ましく思っているよ。……そうだな。過去に引きずられるのは美しくない」

    ギーマはそっと、手をわたしと重ねた。
    伏した目にかかる長いまつ毛を、わたしは見つめた。
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