第一話 「起・全ては過ち、或いは正しかった」後編◇
皆で約束事を決めた後。
それぞれで教室の中を探索することになった。
でもいつも使う教室だから違いがあればわかるはずだ。おかしいとこなんて…
◇
軽く教室の全体を見渡す。いつも通りの教室だ。教卓に黒板。机が4つ。一つには花瓶が置いてある。
先生は他殺の可能性が高い。
そう結論づけるまでそう時間はかからなかった。
自殺じゃ腹部に包丁を刺す事はないだろう。包丁は家庭科室のものだとわかる。
危ないと思い包丁を抜いた。包丁によって空いた穴を埋めるようにそっと血が流れる。床に広がった血溜まりにぴちゃんぴちゃんと溢れた。
まだ、まだだ。
なにも見つけていない。進展がない。
焦りが胸を焦がす。
早く。早く。犯人を捕まえなければ。
◇
その机には必ず綺麗に咲いた花の花瓶が置かれて居る。
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