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    おわり

    @owari33_fin

    アズリド/フロリド同軸🆚
    ここに上げたお話は、大幅に加筆してpixivに置いてます→pixiv https://www.pixiv.net/users/31202925

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    ミーティア4️⃣中編-26 『en:Return③-8』

     結局それから数日、ボクは寝込むことになった。
     さすがのanathemaも、日々の検査ではボクのバイタルのデータを取るにとどまり、無理矢理行為を強いられる事なく、順調に体調を戻すことが出来た。だがこれは裏で、翌日に完全に熱が下がり体調の戻ったアズール本人が、ダーハム・グレイソンと交渉した事が大きかった。一体どんな交渉をしたのか教えてはもらえなかったけれど、体調が安定した時には食事はレトルトながらも味が付いたマシなものになっていたし(それでもアズールからすれば、味に納得はしていってなかったみたいだけど)、ボクのあの頭貫着もアズールと同じプルオーバーになったし(サイズは二つほど小さいのが腹立たしい)、監視カメラの台数まで減っていた。
     ただベッドだけは、相変わらずひとつだけだったけれど……
     一体なんの心境の変化か? あの日以来アズールの態度も以前に戻り。ほんの少し彼の心に余裕ができたのか、ボクに触れたがらなかったあの時期が嘘の様に、この数日甲斐甲斐しく世話をしてくれた。
     ただボクの中では、アズールが強引に性的接触に雪崩れ込ませたせいで、有耶無耶になった彼の本心だけは未だわからないまま、こんな風に態度が急に変わったのが余計に気持ち悪く思える。目の前で胡散臭く微笑むアズールが、本当は何を考えているのかと……
     変わったのは彼の態度だけではない、義務的な接触だったものが、本当の意味でセックスに変わってしまった。
     呪石が発動し、呪で強制的に身体を重ねたあの時、男同士のセックスの知識もなかったはずなのに、彼の異常なまでに努力家な面が発揮でもされたのか? ここ最近のアズールは、ボクの身体を隅々まで知り尽くし、彼の巧みに動く手や舌で触られるだけで簡単に身体が緩み、性器で奥を突かれると簡単に達し、精子とは違うそれでシーツをぐっしょりと濡らしてしまうようになった。
     そうやってボクが醜態をさらすと、アズールは至極上機嫌になり、恐ろしく優しい手つきでボクの意識を快楽という底なし沼に引きずり込む。本当に酷い快感に、もうやめてと泣きながら懇願しても、精液が一滴もでなくなった性器の先端、それがパクパクと喘ぎ、後ろだけで何度も達する……そんなおかしくなったボクのお腹の奥に、アズールの精子が最後の一滴まで注がれ、しっかりと受精するように、三〇分間性器を抜かれることなく、何度も何度もキスと愛撫を繰り返される……これがあの夜以降、毎日最低一回。それがもう一ヶ月近く続いている。
     人ならばきっと生殖機能も低下するほど射精を繰り返しているはずなのに、人魚という種の生命力か、はたまたアズール自身が持つ生への執着がそうさせるのか、全く衰えないそれがどれだけボクの中に注がれたか分かったもんじゃない。行為が終わり、身体を中までしっかり洗ったと思っていたのに、ふとした瞬間太ももを伝う精子に、ボクがどれだけ羞恥を感じているか……アズールは分かっているんだろうか?
     そうやって、アズールが肝心なことは口にしないまま相互理解も出来ず、身体だけ彼とのセックスに堕ちるボクは、解呪され学園に戻ることが出来ても、真っ当な生活を送れるのだろうか?
     ずっと全て、不安ばかりで……誤魔化して何も話そうとしないアズールへの不信感がピークに達しかけた頃、ボクはアズールとの子を妊娠した。
    「おめでとうございます」と、広角を持ち上げて笑うダーハム・グレイソンが、ボクとアズールを呼びつけた先、テーブルの上に新しい契約書を揃えておいた。その契約書には、産まれてきた子供が生きていても死んでいても、所有はanathemaに譲渡すると、そう……書かれていた。
     この世界で、子をお腹に宿したのは初めてだった。だが、ボクの魂の奥底に刻まれた数千回繰り返したフロイドとの逃避行。その中で繰り返し何度もフロイドが口にした言葉が、ボクの胸をグッと締め付けた。

     ——金魚ちゃん、オレとの稚魚産んでよ。

     子どもと三人、幸せな家族になろうと繰り返し足掻いたあの数千回の世界。どの世界でも、ボクは子を無事に産みたかった。無事に生まれた子を腕に抱いて、フロイドに見せてあげたかった。何度も、何度も何度も何度も——産まれてすぐ死んでしまった子を取り上げては、泣きそうな笑顔で産まれた子を可愛いと言っていたフロイド……彼がオーバーブロットする姿を、もう何も出来ないボクが、どんな思いで見てきたか……
     それ以前の世界でも、産まれては死んでしまう子供たちを、ボクは救いたかった。保存液に漬けられ大きな瓶に詰められた人の形をしていない子供たちを抱きしめてあげたかった。そしてなにより、死ぬためにしか産んであげられないなんて、そんな未来をどうにかしたかった。
    「では、サインを……」
     促されて契約書に目を通すアズールの横で、ボクはその契約書を握りつぶした。グシャリとボクの手のひらの中でしわになった契約書を、横にいたアズールが驚いた顔で見ている。いやちがう、見ていたのはボロボロと涙を流し、こんな契約書にサインなんてするものかと、ダーハム・グレイソンを睨みつけたボクの顔だ。
    「オマエなんかに、ボクの子を渡すなんて、絶対に嫌だッ!!!」
     こみ上げる嗚咽に、ダーハム・グレイソンは「いいでしょう。まだ時間はある、ゆっくりお考えになられてからサインするかを考えてください」と、ボクはアズールに背を支えられ、止まらない涙を何度も手で拭いながら、その時は部屋に帰された。
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