マンションで隣り合った部屋の住人同士、便利モブの会として、揃っての夕飯が決まっていた日の前日。
会の一人、吉田から三木に朝からメッセージが入っていた。
『明日、お通夜に出ることになりまして』
仕事関連の知り合いだけど、長く付き合いのあった相手であること。お焼香だけですぐ帰るけれど、それから料理を始めると遅くなるので、日付か内容を変えたいこと。
『あした ゆうがたに、おそうしき いきます。やくそく かえたい です』
会のもう一人、クラージィ向けの説明も書き添えてあった。吸血鬼である彼は、今は寝ている時間だ。三木の躊躇いは短かった。
「俺、吉田さんが帰る前にごはん作りますよ」
「予定とは違うものになりますけど」
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