酔いどれナイトマジック 肩を揺すられて、ローランは意識を気怠く取り戻した。うっすらとした甘い匂い。重く感じる体。いつもよりぼんやりとした目覚めの中で、もう一度眠ってしまいそうになりながらも、肩に置かれた手のひらがそうはさせてくれなかった。
素肌に触れるその手のひらが、昨夜何があったかを全て物語っているのだった。またこのパターンか、とローランは寝返りを打つ。後ろにいるであろう人物の様子を見るために。
「ごめん…」
後ろの人物、オリヴィエは手を引っ込めてそう言った。ローランと目が合う寸前だった。
二人はベッドの上にいて、そしてお互い服を身にまとっていなかった。掛け布団はどこかに落ちてしまったようで、つまり、裸のまま二人は向かい合っている。
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