you are my sunshine. 空気を斬り裂く、だとか、大地が裂ける、とは、まさにこの事ではないか。
里の者達は息を呑んで、一点を見つめていた。視線の先では、血に濡れるのも気にせず、肉の塊を抱きしめて泣き叫ぶウツシが居た。その腕の中の小さな体は、もう、動かない。半分以上無くなった頭部では、目を合わせる事も叶わない。だがそれでもウツシは、何度も、何度も呼びかけるのだ。
「……どうしてだい? ねえ、目を開けておくれよ、起きておくれよ。俺は帰ってきたよ? おかえりって言っておくれよ、愛弟子……っ!」
涙で顔中を濡らし、鼻水と唾液を垂らす様をまるで気にしない。けれど、それがウツシという男なのだ。里の者は皆知っている。彼がどれだけ強く、熱く、優しく、頼れる存在なのか。だからこそ誰も、何も言えなかった。ウツシに声をかけられる者などいない。
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