先生とカガミ白い人とカガミ
ペタペタと音を立て歩く。
廊下はひんやりとしていて、裸足の足の裏から伝わる。
くるっと角を曲がって、また、くるっと回って。
「あれ......?」
トイレから帰ろうと部屋を探しているうちに迷ってしまった。
うちはの御屋敷はとても大きく、養子として引き取られて間も無い自分には、迷路とそう変わりはない。
誰もいないほの暗い廊下に、きゅうと胸が苦しくなる。
不安になって、どこか明るい場所に出たくて、明かりのある方向へと小走りに走った。
キョロキョロと辺りを見渡しながら歩いていると、陽の当たりが1番いい縁側に出た。
ぼんやりと白い影が見える。
近づいて見るとそれは人だった。
髪も肌も白く、着物まで白い人が目を瞑って縁側に腰をかけていた。
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