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    氷輪(ひょうりん)

    @hyorin_handmade

    夢の話がしたい人。とっくの昔に成人済み
    現在は金カム沼ですが、ホームは無双沼。
    ポイピクにはTwitterに投下したものを再録。たまにここにしか置いてないものも。いずれpixivにまとめる予定(投下しないつもりのものもあります)
    pixiv(https://www.pixiv.net/users/7296926)
    金カムは菊田さんと有古くん、月島さん
    無双は夏侯惇、于禁、呂蒙、徐庶、大殿
    その他、気のむくままに
    メモ→設定や夢シチュ
    かきかけ→お試しで書いたもの
    (https://wavebox.me/wave/dxn3qw03fk9sd4zj/)

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    金カ夢ark
    有古くん、誕生日おめでとう。
    半日クオリティで申し訳ないけど、祝福の気持ちは沢山沢山詰め込んでおいたよ。
    そのうち加筆訂正すると思いますので、いろいろ目をつぶってください
    菊田さんがでしゃばってるけど、気にしないでください

    #有古力松誕生祭2023
    #金カ夢
    aimingForTheGoldenHelix
    ##有古力松

    わがままひとつ今日は俺の誕生日。それを知っていた上司の菊田さんが、食事に誘ってくれた。定時を少し過ぎてから菊田さんと一緒に会社を出る。
    よく行く店に入り、いつものように注文を済ませた。

    「有古、誕生日おめでとう」

    乾杯、と菊田さんが掲げたグラスに自分のグラスを軽く合わせる。明日も仕事なのでそれほど飲めないが、まだまだ暑い日が続くなかで仕事終わりの一杯はうまい。
    料理も運ばれてきて箸をつけたところで、

    「遅くなりました」

    とよく知る明るい声が響いた。驚いて個室の入り口を見れば、予想通りの人物が靴を脱いでいる。
    彼女が来るなんて聞いてない。
    慌てて菊田さんを見るが、菊田さんは俺の視線に気づいていないのか、彼女を俺の隣に座らせておしぼりを渡している。

    「有古くん、誕生日なんだって?おめでとう」
    「あ、あぁ……ありがとう」
    「今日、菊田さんから聞いたから、プレゼント用意してないの。今度ね」
    「気持ちだけで十分だ」
    「私があげたいの」

    何がいいかな、と呟いている彼女から、正面の菊田さんに視線を動かせば、頬杖をついてニヤニヤと笑っていた。
    この人、確信犯だ。
    俺の気持ちを菊田さんに教えたことはないはずなのに、何でこの人は知っているのか。
    思わず睨み付けるが、菊田さんは全く気にする様子はない。
    やがて彼女の飲み物が運ばれてきて、改めて乾杯とグラスを合わせた。

    しばらくは料理を食べながら、話に花を咲かせていた。といっても、主に喋るのは菊田さんと彼女で、俺は聞き役だ。これは出会った頃から変わらない。
    菊田さんの話に笑う彼女を見て、俺も同じように彼女を笑わせる事が出来るだろうかと、ふと考えてしまった。俺は決してお喋りな方ではない。冗談を言う質でもない。仕事の話ならどうにかなるが、こういった席で何を話していいのかよく分からない。
    きっとつまらない男だと思われているんだろうな。
    せっかく誕生日を祝ってもらっているというのに、少し気分が沈んでしまった。

    「有古くん、酔っちゃった?大丈夫?」

    隣の彼女が心配そうに下から覗き込んできた。急に近付いてきた彼女に驚くも、大丈夫だと返す。本当?と尚も心配そうな彼女に大丈夫だと繰り返した。

    「お、唐揚げ残ってるな。もらうぞ」

    するとそこへ菊田さんの声が響いた。

    「あ、それ私が取っておいたやつ」

    彼女が慌ててそう言うが、すでに唐揚げは菊田さんの口の中。彼女が唐揚げが好きで、好きなものは取っておくのを知っているはずなのに。

    「お前なぁ、好きだからって取っておくのもいいけど、放置してたら横からかっさわられちまうぞ。なぁ、有古」

    意味ありげな視線を寄越す菊田さんに、はぁ、とだけ返事を返した。
    それは……俺への言葉なのだろう。誰かに彼女を取られてもいいのか、と。
    取られたくはない。でもどうしても一歩が踏み出せない。
    そこへ電子音が響いた。

    「あ、電話だ」

    そう言って菊田さんが席を外す。

    「もう、菊田さん、ひどいよね。私が唐揚げ好きなの知ってるのに」

    唇を尖らせる彼女をまぁまぁと宥めながら、改めて誰にも渡したくないと思う。せめて何きっかけがほしい。彼女を誘えるきっかけが。
    やがて菊田さんが戻ってきたが、

    「悪い、弟から呼び出された」

    そう言ってお開きになってしまった。
    会計は、菊田さんが持ってくれるというので、彼女と二人してお礼をいう。

    「有古、駅まで送ってやれよ」
    「もちろんです」
    「誕生日なのに、ごめんね」

    じゃあ、と手を振って先に歩き出した菊田さんを見送り、彼女と並んで駅に向かう。すると俺の携帯からメッセージ受信の音が聞こえた。こんな時間に誰かと、彼女に断りを入れてから見てみると、先程別れた菊田さんからだった。

    [誕生日なんだから、一つくらいわがまま言っても許されるんじゃないかな]

    誕生日おめでとうのメッセージの下に、そう書かれている。
    誕生日のわがまま……。いいのだろうか。
    でもこれはいいきっかけになるのではないだろうか。このままでは誰かに彼女を取られてしまうかもしれない。だから……。

    「どうしたの?急ぎの仕事とか?」

    携帯を見たまま動かない俺を、彼女は心配そうに見上げてきた。

    「いや、なんでもない、大丈夫だ」

    そう言って携帯をしまうと、俺は彼女に向き合った。

    「誕生日のプレゼント、くれるっていったよな」
    「え?うん。何かほしいものあるの?」

    楽しそうな、期待に満ちた表情で見上げてくる彼女に、俺は拳を握りしめ、呼吸を整える。

    「一つだけ、誕生日のわがままを聞いてほしい」
    「なぁに?」
    「俺と……」

    続いた言葉に、彼女は真っ赤な顔で頷いてくれた。


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    今回で一応最終回という風になっております。
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    こんなに続くと思って無かったし書いている間に本編はえらい事になってて、いやはや…
    相変わらず諸々雑な感じですが
    大丈夫、どんなものでもどんとこい!な方よかったら読んでやってください
    【ジェリーフィッシュが解ける頃】Ⅷ 「約束です。どんな形でもいいから守ってくださいね」
     そう言って笑ったあいつは結局俺を置いていった。
     初めからわかっていた結末なのに変わる事無く迎えたその事実に心はひどく冷え込んだ。
     みんなそうだと思って
     その考えは違うとすぐに否定し
     誰を責めればいいと思って
     誰を責める事などできない事だと言い聞かす。
     「約束ですよ」
     どうして俺を置いていく、置いて行かないでくれ
     
     *******
     
     「あれ?リヴァイさん?」
     自分の名前を呼ぶ声に顔を横に向ければ見慣れた人物と目が合って「やっぱりリヴァイさんだ」と改めて確認すると笑顔を向けてきた。
     「おぉペトラじゃないか」
     「どうしたんですか?あ、待ち合わせですか?」
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