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    氷輪(ひょうりん)

    @hyorin_handmade

    夢の話がしたい人。とっくの昔に成人済み
    現在は金カム沼ですが、ホームは無双沼。
    二次創作一覧(https://nanos.jp/hyorindrops/page/11/)
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    うぇぶぼ
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    金カ夢kkt
    菊田さんと重陽の話。呟いたネタを形にしてみた。

    #金カ夢
    aimingForTheGoldenHelix
    ##菊田杢太郎

    菊田さんと重陽の話食事も終わり、ソファーに座りなんとなくテレビを見ていると、

    「今日は重陽なんですよ」

    そう言って彼女が何かを運んできた。ローテーブルに並べられたのは、菊の花びらが浮かんだお猪口。徳利もガラス製で、その中にも菊の花が入っているという凝りようだ。

    「へぇ、なかなか風流だな」

    でしょう?とニコニコとしている彼女を見ながら酒を口に含むと、仄かに菊の香りがしたような気がする。

    「無病息災や不老長寿を願ってたらしいですよ」
    「でもまだ菊の花にはちと早ぇよなぁ」
    「旧暦ならちょうどいいのかもしれないですね」

    お猪口が空けば、彼女が注いでくれる。徳利から注いだ酒は花を漬けてあったからか、菊の香りが先程よりも感じられた。
    あまり酒に強くない彼女は、ちびりちびりと舐めるように飲んでいる。苦手なら無理に飲まなきゃいいのに、同じものを楽しみたいって言われたら止める理由はない。

    「栗の節句とも言われてるらしいから、栗ご飯用意すればよかったですね」
    「栗もまだ早ぇだろ」
    「じゃあ、マロングラッセでも買ってくればよかったですね」
    「それは……鶴見さんなら喜ぶと思うぞ」

    確かに、と二人で笑い合う。
    徳利の中身は半分以上なくなったが、まだお猪口半分しか飲んでないのに、彼女の顔はだいぶ赤くなってきていた。

    「ほら、もうおしまいだ」

    彼女の手からお猪口を取り上げると、彼女は不満そうに唇を尖らせた。

    「まだ残ってます」

    ほろ酔いで、上目遣いで見上げてくるのは反則だろう。

    「なら、ここにも“菊”の付くものがあるが」

    どうする?と耳元で囁けば、一拍おいて更に顔を赤くした彼女。オヤジ臭い、なんてぼそりと呟くが、腰に回した手を振りほどく気配はない。

    「オヤジで結構」

    そう笑うと、彼女の唇を塞いだ。
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