重力メルルは唐突に実感した。前よりももっと彼を意識している自分に。
付き合ってるんだから…そのうちキスをしたり抱き合ったりするんだと思ったら照れくさくて。
こんなに意識をしているのは私だけかもしれない。
恥ずかしくて顔が真っ赤になる。メルルはみんなの前から逃げ出した。
「ご、ごめんなさい」
「メルル!」
ポップに「バカ野郎!茶々いれんな!」と叱って、彼が追いかけてくる気配がある。
スカートを翻しながら走るけど、あっという間に追い付かれてしまった。
「あっ」
転ぶ。と思って覚悟をしたけれど、一瞬身体が浮いて、がっちりと抱き止められた。
「危な」
彼が庇うようにメルルと身を入れ換えていた。
「ヒ、ヒムさん」
「どこも痛くないか?」
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