しがだざちゃんと!楽しいハンター生活! 一、
特に何か変わったことがあったという訳でもなかった。
日々の日課である「あらくれ」潜書編成はいつもの通り、俺(太宰)、志賀直哉、小林多喜二の三名。
その他別の三編成は各自本の中へ潜っていると思われる。なんのことはない日常、ルーティンってやつだ。
「だというのに俺たちはいま晴天を仰いでいるのである…」
「それだけだと非日常感が読者に伝わらねえな…」
隣の直哉からそういうことじゃねえんだわっていう感想が飛んで来たんで、伸びきった腹直筋にげんなりするまま「どこに読者がいるんですかねぇ」と返した。
喉から空気が抜けてゆく、俺たちは二人仰向けで…洗濯物のようにして仲良く木の枝にひっかかっているのだった。
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