障子から透ける陽光の眩しさに目を開けた。
いつもの癖で右隣に顔を向けるが期待していた姿はなく、きちんと畳まれた布団が重ねられているだけだった。
自分も弓親もとりわけ寝起きが悪い方ではないから、どちらが先に目を覚ますかは日によって変わる。
今日は相手の方が先に目を覚まし、身支度を整えでもしているのだろう。
上体を起こし布団から抜け出ると、隣に倣うように畳んだあと重ねて積み上げた。
まとめて押し入れに仕舞おうとした時、後ろで障子が開く気配がした。
「おはよう。あ、片付けてくれてありがと」
「ついでだ。俺の部屋だしな」
二対の寝具を押し込んで襖を閉め、聞き慣れた声に振り返るとまだ襦袢姿のままの弓親がふわりと微笑んだ。
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