記憶喪失になったシンくん「ごめんね、もう、こうするしかないんだ……」
決死の決断。本当はしたくなかった。あの時愛していたアナタも、今もずっと好きなキミも。もう居なくなってしまうなんて信じたくないけれど。仕方がないことだった。でも私は、僕は2人のいない世界で生きていく意味はあるのだろうか?
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「シンくん!やっと起きたんですね!」
「気がついたか!?全く心配させるなよ!待ってろ、今みんな呼んでくるからな!」
「は…はい?」
ここはどこだろう。目の前にはピンク髪のかわいい女の子と紫髪の小学生くらいの男の子がいる…。
僕は、一条シン。中学三年生で、サッカーをしていて…勉強はあまり得意じゃなくて…。自分のことは覚えてるようだ。だけどここがどこなのか、この人達は誰なのか、それだけがはっきりしない。『みんな』と言っていたから他にも誰かいるのだろうか。
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