ぬいぐるみ組で学パロ人のいない場所を見付けるのは、何故か得意だった。
静かな場所はとても落ち着くし、こっそりと一服することも出来る。だから、時間があればふらりと気の休まる場所へと足を運んでいた。
この日は本館と西館の間にある細い隙間を抜けた先にある校舎裏。外からも高いブロック塀に隠されているおかげで、人目を気にせずにのんびりすることができる。
たまにガラの悪い先客が居ることもあるが、幸いにこの日は誰もいないようだった。
遠くから聞こえてくる賑やかな声ははっきりとは聞こえない。まるで日常の学校生活と切り離されているような気すらして、とおるはほっと息を吐いた。そしてチラリと腕時計に視線を落とした。
これから昼休みに入る。一服するには十分だ。
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