初恋の味「初恋の味、ってどんなのでしょう?」
咲也の言葉に一成が反応を示せば、談話室の中はその話で持ちきりになった。
「なになに?サクサクがそういうのって珍しくない!?」
「は、はい。客演の台本の中に出てくるセリフなんですけど……なんか今一イメージがわかなくて」
「ん〜たかし!やっぱりそういうのは大人に聞くのが一番っしょ!フルーチェさんとかアズーとか!でも他のみんなにも聞いてみたいよねん!」
そんな感じで速攻で一成の矛先が向いた左京さんがため息をつく。
「あ?何くだらねぇ事言ってんだ……」
「ふふ、でも咲也の演技の参考でしょ?教えてあげたら?」
「私も聞いてみたいです!」
「てめえら……」
東さんが微笑みながら言えば、監督ちゃんも乗っかって左京さんの眉間のシワが濃くなった。
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