幸せな夢を断つ話 二 月待依宵という、赤いリボンの髪飾りが似合う仙狐の生徒は、多くの後輩に優しかったから、すれ違った生徒が彼女に手を振ったり、穏やかに話しかけたりすることが多々あった。彼女自身も、何かあれば後輩を気に掛け、相談を受けたり、時には共闘した。
五社の生徒は、武器を用いて神を戦うことが出来る舞手と、術を使い、舞手を援護する詠手の二種類にわけられる。依宵は舞手だった。一対のハルパーを使って神殺しを行う。彼女は神を殺すことを、弔いであると称していた。
「彼らを殺してあげられるのは、私達しかいないから、だから私にとって、神殺しは弔いなの」
そう、同級生にそう語ったことがある。
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