想うはアナタ一人ドゥリーヨダナは人気のない校舎裏で、膝を抱えて蹲っていた。
小学校に入学して3回目の運動会が、もうすぐそこまで迫ったとある秋の日のことだった。
選抜リレーの選手に選ばれ低学年の部のアンカーを務めることが決まった時、ドゥリーヨダナは鼻高々に両親にそのことを報告した。
大喜びでどうすれば息子の勇姿を余すことなく記録できるのか計画を立て始めた父と母に、絶対に1番でゴールする所を見せるんだと意気込んでいた。
なのに。
なのに。
なのにっ。
今日は初めての本番形式の練習だった。
そこでドゥリーヨダナは負けた。
同じ日に生まれた従兄に、同じようにアンカーとして選ばれたビーマに、ドゥリーヨダナは負けたのだ。
生まれつきの大食漢。
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