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    nmc29bananaxxx

    @nmc29bananaxxx

    君と篤に飢えた妖怪
    なんでも食べる
    絵とSSS無節操にぽいぽいする

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    nmc29bananaxxx

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    篤を着せ替え人形にしたい君

    お人形さん「これも似合うんじゃないですか」
     一人暮らしには広すぎるマンションのリビングに、大量の服飾品が並べられている。君島家付きの百貨店の外商が恭しく持ち込んだそれらは、どれも国内では入手困難なものばかりだ。
    「俺の趣味じゃねえな」
    「それでは、これもいただきます」
    「人の話を聞けよ」
     ここに君島を止める人間はいない。当然、外商は満面の笑みで次々とアイテムを提案してくる。次に着せられたのは、ギラギラのビジューが全面に刺繍されたシースルーのブラウス。袖口にはご丁寧にフリルまでついている。思わずうげ、と声が出た。
    「これはお前が着るやつだろ」
    「おや、アナタにぴったりだと思って持ってきてもらったのですが。ねえ」
     同意を求められた外商は、赤べこのように頷く。バカバカしい。四面楚歌である俺は死んだ魚の目をして、着せ替え人形と化す。
    「ほら、やっぱりよく似合う」
     気持ち悪いほどに上機嫌の君島は、鏡越しに視線を合わせて微笑む。肩に置かれた手に力は入っていないのに、払いのけられない。
     コイツの趣味で着飾った自分は、いつかフランスの雑貨屋で見かけた道化師のフィギュアのようだった。それでも、こんなオモチャを唯一の宝物みたいに扱う男の言うことを聞いてしまっている時点で、俺の負けだ。勿論、金は全てコイツが出すのだが、それもまたこの男の気分を良くさせる要素なのだと知っている。本来ならばWin-Winなのだろうが、俺がそう思うにはもっとセンスの良い服を持ってきてもらわなければ、話にならないのだ。

    End.
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    nmc29bananaxxx

    MEMO📕のアレ 月+篤 ちょっと🗼🗼匂わせ
    さして興味はない、が 目当ての本を無事購入し、越知は都内の街並みを歩いていた。ふと、特大広告が目に留まる。
    (君島か)
     近頃の君島は芸能人としての人気がますます高まっているようで、そこかしこで彼の姿を見かけるのだ。相変わらず活躍しているようで何よりだと思いながら、スマートフォンを取り出してカメラを起動させた。
    (……悪くない)
     人が写り込むことも、光の反射が入ることもなく、なかなか良い写真が撮れたのではないか。だからと言ってどうということもないが。スマートフォンをポケットにしまい、また足を進めるとカフェが目に入った。少し休憩でもするかと、店内に入りコーヒーを注文する。
     一息ついたところで、先ほど撮った写真を思い出した越知は再びスマートフォンを手にし、トークアプリを起動させた。通知の一番上にあるトーク画面に、写真を送信する。ほどなくして『新しいCMのやつですね!めっちゃかっこいいです!』という返信と、キラキラと目を輝かせるうさいぬのスタンプが送られてきた。越知はこうして、君島を慕う後輩のためにときどき写真を送ることがある。そのたびに良いリアクションを返してくれるから、口角も上がってしまうというものだ(喩えそれが誰にも気づかれない程度だとしても)。
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