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    nmc29bananaxxx

    @nmc29bananaxxx

    君と篤に飢えた妖怪
    なんでも食べる
    絵とSSS無節操にぽいぽいする

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    nmc29bananaxxx

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    君と篤とリップ 時事ネタ(?)

    魅惑のミルキープルーン「どれが良いと思います?」
    「……なんだ、これ」
     テーブルに並べられたのは、様々なブランドのリップアイテム。遠野が訝しげに外箱を摘み上げると、君島は開けて結構ですよ、と促した。
    「広告モデルの仕事でね、私のパーソナルカラーに合わせたリップをセレクトしていただいたんです。三本あって、どれも少しずつ違うのですが……アナタならどれを選ぶのかと思って」
    「パーソナルカラーって、これがか?お前、紫ってカンジじゃねーだろ」
     パッケージを開けると、中身はいずれも紫を基調にしたカラーのものだった。その中からひとつ手に取り、黒い半透明のケースを眇めた遠野の瞳がきらりと光る。その輝きは、透けて見えるリキッドに混じったパープルのラメによく似ていた。
    「おや、そう思いますか……実は私も提案されたとき、意外だったんですよね。でも、私ならどれでも似合ってしまう自信はありますけど」
    「フッ、そういうとこ好き。……じゃ、ホントに似合うか確かめてやるよ」
     遠野は君島の顎を掬い上げ、チップについたアメジストのようなきらめきを湛えるルージュを目の前の唇に押しつけた。リップメイクなどなくとも血色の良い唇は、紫がかった淡い色合いに染まっていく。
    「……ま、悪くはねえな」
    「そうですか」
    「鏡見るか?ああ、でもこっちのほうが、」
     ぶつぶつ言いながら二本目に手を伸ばした遠野の手首を掴んだ君島は、そのまま自分の元に引き寄せた。
    「んだよ……ッ」
     重なった唇は、柔らかな感触を確かめるように二度、三度触れる。君島が距離を作ると、遠野の唇もうっすらとみずみずしく色づいていた。
    「先ほどから考えていたのですが……それ、遠野くんのほうがお似合いかもしれませんね」
    「ふうん?……なら、もっとつけてもいいぜ」
    「いいんですか?」
    「俺に似合うんだろ?」
     君島の下唇を指でなぞり笑みを模る遠野のそれは、ほんのりと甘い薔薇の香りに彩られていた。

    End.
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    nmc29bananaxxx

    MEMO📕のアレ 月+篤 ちょっと🗼🗼匂わせ
    さして興味はない、が 目当ての本を無事購入し、越知は都内の街並みを歩いていた。ふと、特大広告が目に留まる。
    (君島か)
     近頃の君島は芸能人としての人気がますます高まっているようで、そこかしこで彼の姿を見かけるのだ。相変わらず活躍しているようで何よりだと思いながら、スマートフォンを取り出してカメラを起動させた。
    (……悪くない)
     人が写り込むことも、光の反射が入ることもなく、なかなか良い写真が撮れたのではないか。だからと言ってどうということもないが。スマートフォンをポケットにしまい、また足を進めるとカフェが目に入った。少し休憩でもするかと、店内に入りコーヒーを注文する。
     一息ついたところで、先ほど撮った写真を思い出した越知は再びスマートフォンを手にし、トークアプリを起動させた。通知の一番上にあるトーク画面に、写真を送信する。ほどなくして『新しいCMのやつですね!めっちゃかっこいいです!』という返信と、キラキラと目を輝かせるうさいぬのスタンプが送られてきた。越知はこうして、君島を慕う後輩のためにときどき写真を送ることがある。そのたびに良いリアクションを返してくれるから、口角も上がってしまうというものだ(喩えそれが誰にも気づかれない程度だとしても)。
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