『これから』の話をしよう「それではドレン中佐よろしくお願いしますね」
目の前にいる同僚には比較的甘くなる事は、自身の事であるから知っている。何せ五年前の戦争時指揮を任されていた艦の部下であり、戦場を共に駆け抜けていた大佐がいなくなった瞬間を見てしまった男であるから、憔悴ぶりも知っている事もあり自分に限らずほとんどのクルーが彼に対して甘くなっていた。
中佐となるまでに色々変わってしまった彼を見てもそれは変わらない。だから大抵の事はボヤきつつも頼みを聞いていたがと、渡された束を見る。
「大丈夫、悪いようにはなりません。きちんと、最後まで、目を通してもらってください」
「もし悪いようになったらあんたで何とかしろよ」
重さ的には大したモノではないが、大事な未来が決まるとても重いモノだと受け取った束。
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