いつか兄に勝ちたくて「やだよ!何で兄貴だけ先に帰るの!!」
「…仕方ないでしよう?いつまでもこっちの学校に通わせる訳にはいかないの、しばらくはおじいちゃんの所で預かってもらうつもりよ」
母親にそう言われても納得できるはずがなかった。
どうして一緒に帰国できないのか、幼い自分には到底理解できなかった。
生まれた時から傍にいていつも兄の背中を見てきたから。
「あなたが中学生になる頃にはこっちの仕事も一段落つきそうだから、その時は日本に帰れるわ、いいじゃない兄者がいないとゲームも独り占めできるわよ?」
「1人でするゲームなんて楽しくないよ…兄貴がいて兄貴と一緒にするゲームが楽しいんだもん…」
兄者がゲームしてる姿を後ろから見てるのが大好きだった。
3514