もしもmzkが閉所恐怖症だったらガシャンッ
「くそっ…しくじっちまった」
目の前の外側から何らかの力で施錠されてしまった扉を蹴った後、水木は呟いた。
事の始まりは三日前の出来事だ。
事務所へとやって来た、建設業を営んでいる客から『新しい事業の為にもう誰も使っていない寂れた御堂を潰そうとしたのだが、工事が始まる度に事故が起こる』という依頼が舞い込んできた。
が、水木もゲゲ郎もこの依頼を真っ向から請けようとは微塵も思っていなかった。
使われていないから、と言った理由で元は万物を宿した神が居たとされる御堂を壊すなんて持っての他で、何が起きるやも分かりはしない。
しかし鬼太郎という、大事な我が子を一人養うのにそれほど余裕がある訳でも無い二人は、形式上依頼を請けるも直ぐに帰って『あの御堂は辞めておいた方が良い』と適当な理由で最初から誤魔化すつもりだった。
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