酔っているな、という感覚はある。だけど、いつものようにベロンベロンに泥酔しているわけではなく、ふわふわと気分が高揚している感じ。まるで体に微熱があるようだ。
両手でお酒の入ったグラスを持ち、にこにこと周りの楽しげな様子を見ている。すると、突然僕の隣に座る人が立ち上がった。それがなんだか無性に寂しくて、ついついぐい、とその人の服の裾を掴んでしまう。
「そーーーちゃん! トイレ行くから離して!」
「たあくん、行っちゃやだ」
「漏れるから!」
「行かないで……」
あぁ、環くんだ。そういえば、いつもお酒の席では環くんが隣に居てくれるっけ。
「すぐ戻るから、な?」
「うぅ……。でも、寂しいもん」
「そーちゃん……」
「コラー、壮五。環困ってるだろ? ほら、こっちおいで」
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