スランプさえもひだまりだと【上】もう3日経った。もう3日ユキとのラビチャに既読がつかないのだ。
今週は俺のドラマ撮影に合わせて、ユキは作曲期間になっている。作業に集中しているのだろう。しかしながら消えてしまったのではないか、死んでしまったのではないか、なんて撮影中も不穏な気持ちが自分の心に宿っていき、正直全てを投げ出したくなるほど不安だった。今までの詰め込み期間ですら、こんなに連絡が取れなかったのは初めてだったから。
きっと作曲に追い込まれて、携帯の充電を入れていないのだろう。それは予想できた。同じ予想をしたおかりんが電気メーターの数字は動いているから一応大丈夫だろうと言っていた。
もし明日になっても連絡が取れなかったら強行突破で合鍵を使って入るそう。「いやあ、それ今日もうやっちゃおうよ。」そう言うものの俺もおかりんもユキの作業の邪魔をしたくないのがどこかにあって。
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