Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    🍭あまき🍬

    @amkdayo

    ※全作品。内容、テキストの無断転載、使用、改変禁止。
    ※Please do not reproduct/use/modify my works.

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🍬 🍭
    POIPOI 13

    🍭あまき🍬

    ☆quiet follow

    リ+シ
    少年囚人リオセスリが、看護師長シグウィンに初めて「平等」を与えられる話。


    ・勢い任せ。ほぼ一発書き。
    ・初めてレベルの一人称視点です。
    ・短いのでサクッと読めます。
    ・誤字脱字あると思います。色々多めに見てください。
    ・リオセスリが子供だった故に平等な扱いではなかった可能性の話です。つまり捏造。
    ・カップリング要素は無いです。

    平等な囚人 くそっ! 覚えとけよ! 卑怯な奴らめ! これは俺が集めた特別許可券を使って手に入れたパンと水だ!
    俺は心の中で悪態をつきながら薄汚い通路を走った。暗すぎて見てないだけで、本当に汚いのか? なんて、ここには小綺麗にしてる奴なんてごく限られているし、どうせろくに掃除なんてしちゃいないんだから、まともに考える必要はない。トカゲの走ってる通路ってだけで、抱えていたパンも水も落とせやしなかった。
    奴らに足をやられなくて良かった。追いつかれたら今日の飯がなくなって、もっと最悪だったからな。
    ぎりっと悔しさで口の端を噛む。殴られた右の頬が痛い。口の中は血の味でいっぱいだった。
    なにが、「こんにちは、良い物を持ってるね。リオセスリくん」だ、複数人で囲んで食料を奪おうなんて汚い真似しやがって。
    今日手に入れた食料は二日ぶりの食事だった。それを待ち伏せしていた囚人に囲まれて、まずはご挨拶とばかりに頬を一発殴られた。
    パンと水を抱えて両手が使えないのに、それに複数人は分が悪い。俺はまずいと思って咄嗟に「あー!」と適当な所を指さして、でかい声を上げた。間抜けなことに俺を取り囲んだそいつらは、俺の罠に引っかかって、全員、視線を俺から離した。その隙を逃さずにこうして逃げてきていた。古典的な引っ掛けも時には役に立つもんだ。
    俺は走りながら薄っぺらでボロボロのシャツの前を開いて、パンと飲み水の入った瓶を自分ごと包んだ。本当は体から離れないように括りつけちまいたかったが、そんな余裕はなかった。腕だけで抱えるよりも、こうする方が袋みたいになるから安定感があった。
    奴ら覚えとけよ。今度はやり返してやる!
    走りながら腹の底がグツグツと煮えるような怒りが沸いていた。

    医務室は、俺の一番安心できる避難所だ。
    シグウィン看護師長は、いつも好意的で、俺の怪我や健康のことばかり気にしてきた。
    「食べる物がないのなら、ウチが用意してあげることもできるのよ」
    もともと少し下がった眉毛をより下げて、彼女は何度も俺に同じことを言った。
    「メロピデ要塞に放り込まれた奴がガキだからって、あんたが今以上に俺を贔屓したら、立場が危ぶまれるかもしれないだろ」
    「キミはウチの事を心配する前に、自分の明日を心配するべきなのよ」
    「とにかく、俺も他の囚人と同じように取り扱ってくれ」
    いつだったか、彼女に平等を訴えたことがあった。
    彼女は、少し黙ったあと「わかった」といった。そして、どこからかミルクセーキを取りだして俺に差し出して言った。
    「これを飲んでくれたら、キミを他の囚人と同じということにしてあげる。このミルクセーキは、皆に配っているものなの。同じ扱いってことになるわよね」
    「便宜上って言い方だな」
    「エコヒイキしないんだから、キミの望みは叶えているはずなのよ」
    彼女の言っていることは確かにそうだ。頼んでいる身なのに、相手の行動原理までも操ろうなんて、おこがましい事この上ない。
    俺はそのミルクセーキを受け取ると一気飲みした。ぐるぐるした味だった。味なのにぐるぐるって変だな。でも何の味か答えられない。何も出てこない、強いて言うなら、不毛、そんな味だった。

    看護師長。今日はあんたに飯を用意するなんてことも、ミルクセーキを飲めだなんてことも言わせないぞ。
    穏やかな顔つきを絶やさない彼女を思い出すと、煮え返っていた腹の底が少しずつ収まっていく。
    やがて医務室について、転がるように階段を降りると、彼女が「どうしたのよ」と駆け寄ってきた。
    「キミ、その顔! 早く手当しなくちゃ」
    息を切らす俺の顔を見るなり彼女は慌てて救急箱を取りに引き返す。
    「か、看、護師長」
    掛けていく小さな背中に俺は、息を整えきれないまま呼び止めた。
    「もう、あんたに、心配なんてさせやしない」
    そういって、俺は懐からパンと水を取り出して彼女に突きつけた。
    「これで一人前だろ」
    そういうと、彼女は一瞬ポカンとしたが、直ぐに合点がいったのか、大きく頷いた。
    「うん、これでキミも立派な囚人ね」

    これは、俺が初めて彼女から「平等」を与えられた日の話だ。




    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    🍭あまき🍬

    DONE月城柳の「彼氏」になった浅羽悠真が、彼女の家に泊まりに行く話。
    ・浅羽悠真実装前から書いていた作品。
    ・「西陽だけが見ていた」の続編。
    ・キスシーンある。
    ・告白シーンある。
    ・誤字脱字はあとでそっと修正します。

    アンケート企画
    「ヘアコンディショナー」モチーフで
    テーマが「甘い」でした。
    甘くなりましたかね?
    アンケートありがとうございました。
    人形遊びに心寄せ この世でどうしても譲れないものがあるとするなら、彼なら──浅羽悠真ならきっとサボり続ける精神とでも豪語するのだろう。空席の向かいを見て、月城柳はため息ばかりが[[rb:溢 > こぼ]]れた。
    「また遅刻ですか」
     対ホロウ第六課のオフィスで、柳は朝から小さくボヤいた。課長の星見雅は修行、蒼角はついさっき出勤後のお菓子をもらいに事務課と出かけて行った。そして、本来は向かいの席に座っていなければならない男──悠真の姿は今日もない。今となっては、いない理由もある程度は想像でき、理解しているつもりだが、そう毎度看過できるものではなかった。彼自身も普段通りを望んでいるのなら、尚更だ。それに、悠真がいれば、書類を捌く効率がぐっと上がる。もちろん、柳の処理速度に比べたら早くはない。それでも彼がいてくれたほうが助かる。
    11456

    🍭あまき🍬

    DONE幻覚をフラッシュバックした悠真を月城の言葉が連れ戻す話


    月城の塩対応、悠真にとって救いであれ。
    妄想ポストのお返事SSの加筆修正版。
    加筆修正を快諾いただき本当に感謝してます。
    ありがとうございます🙇‍♂️
    その言葉を待っている 固く閉ざされたエレベーターの前で、浅羽悠真は立ち尽くしていた。隣にある顔認証装置からは甲高いエラー音が鳴り続けている。まるで、お前は「浅羽悠真」ではないと拒絶しているかのように。
    「──……は、なに、これ」
     胸元のワイシャツをこれでもかと握りしめる。異様なほど心拍数が上がっていた。呼吸がどんどん浅くなる。溺れてもいないのに空気を求めるように。
     悠真は再び顔認証を試みた。しかし依然としてエラー音が再生され、扉は一向に開く気配がない。
     おかしい、おかしいおかしいおかしい、絶対におかしい。こんなの、ありえない。ありえないだろ! だって今は、ちゃんと「僕」だろ!
     悠真は頭の中で必死に訴えながら固く閉ざされた銀の扉を睨みつけた。そこには、ぼんやりと自分の姿が映っていた。ちゃんと[[rb:人間 > ・・]]の姿をした自分が。しかし、この無機質な扉は「浅羽悠真」を拒絶し、エラーを吐き出し続けていた。悠真の頭の中まで、鬱陶しい音がけたたましく鳴り響く。
    4098

    recommended works