めざめ おはよう、と声がした。
重たい瞼をひらく。
ぱちり、ぱちりと二三回ほど瞬きをすれば、視界がようやく朝を迎える。カーテンの隙間から零れる太陽の光は、もう四月だと言うのに夏日のような日照りをしていた。
外はきっと暑いのだろう。外に出る用事なんてものは無いから、問題はないけど。
のっそりと、身体を起こす。そろそろ布団も衣替えしないと。なんて思惑は、かれこれ一ヶ月ほどは脳内にある。片付けなきゃ、でもまだ寒い日もあるし。といった具合で宙ぶらりんになってしまった(もちろん、比喩的な意味で)真っ白な毛布は、ベッドの隅の方に折りたたまれて放置されている。
暫くベッドの上でぼうっとすると、ほんの少しだけお腹がすいてくる。やっと、身体も少しは目覚めたようだ。
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