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    Zumo00

    @Zumo00

    TRPG/創作

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    Zumo00

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    エアスケブ依頼01 キルキルイキルげんみ‪✕‬
    ご依頼ありがとうございました。
    糺枝いばらさんをお借り致しました。
    それではおひとつ、お楽しみください。

    めざめ おはよう、と声がした。
     重たい瞼をひらく。
     ぱちり、ぱちりと二三回ほど瞬きをすれば、視界がようやく朝を迎える。カーテンの隙間から零れる太陽の光は、もう四月だと言うのに夏日のような日照りをしていた。
     外はきっと暑いのだろう。外に出る用事なんてものは無いから、問題はないけど。
     のっそりと、身体を起こす。そろそろ布団も衣替えしないと。なんて思惑は、かれこれ一ヶ月ほどは脳内にある。片付けなきゃ、でもまだ寒い日もあるし。といった具合で宙ぶらりんになってしまった(もちろん、比喩的な意味で)真っ白な毛布は、ベッドの隅の方に折りたたまれて放置されている。
     暫くベッドの上でぼうっとすると、ほんの少しだけお腹がすいてくる。やっと、身体も少しは目覚めたようだ。
     部屋にただよう、甘いミルクティーの香り。
     今日のアーリー・モーニングティーは、モルティーアッサム。香りだけで分かる、わたしのお気に入り。柔らかく、甘い味わいは、目を覚ますのにぴったりで。みきとが前に、まるで王子様の目覚めのキスね。と言っていたのを、ふと思い出した。
     まだひんやりとするフローリングの床を避けるように、不規則に散らばったスリッパへと着地する。うん、と背伸びをして、ふぅ、と息をつけば。朝が、始まる。
     美味しいミルクティーはカップの用意から。少し面倒臭いけど、今日は特別。
     カップを少しだけ湯煎してあたためる。その間に、ケトルでお湯を沸かす。牛乳は……あった、期限切れぎりぎり。今日で使い切れそうで良かった。ミルクピッチャーに入れて、温度を管理して。
     なれない作業は、すこしだけ難しい。
     カップがあたたまったら、カップにお湯を注いでティーパックをそうっと入れる。ゆらゆらと揺らしてみたい気持ちを抑えて、ソーサーで静かに蓋をする。
     前に5分の砂時計を使ったら、思ったより味が濃く出てしまって渋かった。だから今日は3分半。
     砂が全て落ちて3分。そこからすこし。ソーサーの蓋を開けると、ふわっと香る紅茶のいい香り。少しティーパックを揺らすと、花が開くようだった。もしくは、筆洗に筆を入れた瞬間。
     そこに、ミルクを注ぐ。ティースプーンでくるくるとまぜると、ミルクティーの完成。
     よかった、これでいつも通りの朝だ。
     いつも通りの日常。今日はいつも通りの日常を、思い出す日。今日は特別。特別に、あなたを思い出す日。
     夢にみきとが出てきた日は、ちゃんと「いつも通り」を過ごす、って決めたんだ。

     ねぇ、みきと。
     あの日からさ。「おはよう」がお別れの挨拶になっちゃったね。

     飲み干した紅茶は、やっぱりどこか物足りなかった。
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