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    masasi9991

    @masasi9991

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    暑い日の道タケ漣

    ##道タケ漣

    氷で冷やしていただきます 帰ってくるなり二人揃って畳の上に転がった。
    「暑い」
    「アチィ」
     と口々に唸っている。
     確かに今日は暑い。こんな日差しの強い時間に駅から歩いて帰って来るのはさぞ大変だったはずだ。部屋にクーラーは利かせているけど、きっと暑さはなかなか引かないだろう。
     グラスに氷と、よく冷えた麦茶のピッチャーをお盆に準備して居間に戻る。……まだ転がっている。二人とも、顔も身体も熱で真っ赤だ。
     で、着てるものをそこら中に脱ぎ散らかしている。気持ちはわからなくもないが……。
     正確に言うと下着を除いて全て脱いでしまってるのは漣の方で、タケルは辛うじて着てはいる。着てはいるがタンクトップの裾はまくり上げられて、腹も、胸も丸出しだ。
     そんな格好でころころと転がって、肩や手足をぶつけては邪魔だ邪魔じゃないと喧嘩をして、自分から見れば大変に仲睦まじく……じゃれあっている。どうやらクーラーの風が当たる場所を取り合っているらしい。窓から差し込む昼間の日差しの中、火照った身体に汗が滲んで、ゆっくり滴り落ちていくのがギラついて見える。
     はっきり言って、目のやり場に困っている。漣の白い肌が火照って赤くなっていることも、タケルの日焼けした腕や首元とはだけた裾の下に見える白い肌とのコントラストにも。どちらもあまりに無防備だ。しかし、わかってやっているんだろうな、きっと。自分の目線が泳いでいることにも気づかれてるのだろうし。
    「せめて腹は隠しとかないと風邪ひくぞ」
    「るっせー、暑ィんだよどーにかしろらーめん屋! 氷よこせ!」
    「はいはい、氷だけでいいのか?」
    「ン」
    「円城寺さん、俺も氷……」
    「ああ。順番な」
     二人とも起き上がろうともせずに腕だけ伸ばして求めてきた。すっかり自分に甘えている。……かわいいな。こうなると全部やってやりたくなるのが自分の性分だ。
     順番に。まずは氷の入ったコップを漣の口元に近づける。カラン、カランと涼しい音がして、漣の口の中に氷が滑り落ちて行った。一個、二個……。
    「おっと」
     三個目、唇からこぼれて漣の頬の上を滑り落ちてしまった。だけどその冷たさは悪くなかったようで、漣はうっすらと目を細めた。
     漣の口からこぼれた氷を畳の上から拾おうとして指が滑る。氷を含んでリスのように膨らんだ頬に手の甲があたった。柔らかくて、熱い。口の中で氷をガリガリと噛んで、頬はふにふにと動いている。
     漣が何も言わずに視線をこっちへうごかした。それに視界の端で気が付いて、慌てて氷を掴んで視線を逸らす。自分の下心なんてバレているだろうけど。
    「円城寺さん」
     タケルが自分のシャツの裾をグッと引いた。
     言うまでもないけれども、自分はタケルのそういう仕草に弱い。拾った氷をお盆の上に戻して、二人のために持ってきたもう一つのコップを掴んでカランと音を鳴らしながら、さっき漣の唇から転がり落ちていった氷のことをふと考えた。
     それでコップを傾けて、自分の掌の上に氷をいくつか乗せた。滲みるように冷たい。下心の後ろめたさのせいで、余計に。だけどその氷を口元に持っていくと、タケルは素直に口を小さく開いて待っていてくれている。
     唇の上に氷を一つ。溶け始めているけど、タケルの口には少し大きすぎたかもしれない。小さな唇の奥へ、指の腹でぐっと押し込む。素直で、嫌がらない。それどころか、暑さで溶け出したような真っ黒な目でじっと自分を見上げている。
     氷を、一粒、二粒……。小さな口に押し込んで、頬が膨らんでいくのを眺めている。三個目、はどうだろう。さっき漣の口からこぼれたのも三個目だった。もう入らないか。っそれとももっと?
     声に出して聞けば良いだろうに、自分は思わずタケルの目を見つめたまま黙り込んでしまった。タケルは自分にされるがままで、膨らんだ頬の下で氷をゆっくり転がしている。濡れて冷えた唇が、口元にかざしたままの自分の指にそっと触れて、ドキッとした。
    「らーめん屋、チビ見てやらしーこと考えてんだろ」
    「う」
     図星を指されてたまらず呻く。そんな自分に漣が勢いよく飛びかかってきた。氷に冷やされて元気が出たのか、漣は勢い余ったように自分の腕にしがみついて、ついでとばかりにがぶりと噛んだ。さっき氷を噛み砕いていた歯はもちろん冷たい。そしてそれに反して、抱きついてきた腕と身体は汗ばんで熱い。何しろ漣はほとんど裸だ。
     いやらしいこと、を考えている。眼の前にそんな格好をしている愛しい恋人たちが居るんだ。
    「タケルだけだと思ったか?」
    「はァ?」
    「漣も、タケルも……ちゃんと服を着ろ。でないと」
     と、そこまで言って少し考えた。が、結局欲望に忠実なセリフしか出てこなかった。
    「食べてしまうぞ」
     と。脅しにしては、我ながら下心が全く隠せていなくて情けない。案の定二人ともきょとんとして、次の瞬間には、
    「……やれるもんならやってみやがれ!」
    「俺は、別に食われたっていい」
     そう期待に満ちた目で煽ってくる。ちっとも効果はなさそうだ。どころかむしろ、自分の方に効いてるな、これは……。
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