〇〇のパンツ「エッ!? それが!? 一体どうやって」
「これがこう。足はここを通して、この紐がこの真ん中……」
「だっ、ダメ! ダメダメダメダメダメ! ちゃんと服を、着なさい!」
「服はちゃんと着るさ、この上に」
「当たり前だ! そうだとしても、いやらしいのはよくない! 断固反対いたします!」
「キミしか見ないのに」
「そ、そっ……それは、もちろんそうでないと困る。おれもそのつもりでございますけれども! いいからいつものおパンツとお洋服を着て下さい。風邪を引いてしまうから」
「風邪を引きそうなのはお互い様じゃないか?」
「それはだってお前が突然その紐みたいなのを出すからびっくりしてしまって」
「あっはっは。その言い方だと手品でも見たみたいだな!」
「笑い事じゃないぞ。いまのおれは全くひとつもうっかりしていないぞ! こうなったら実力行使だ! いつものおパンツを履かせてやる!」
「ないぜ」
「へっ」
「いつもの下着は全部洗濯中だ。ほら最近、仕事が詰まって忙しかっただろ? クローゼットに残っていたのがこれだけだったんだ。だから仕方がない」
「まさか、そんな深い事情が……」
「で、履かせてくれるんだって?」
「……ええ? だめだこんなあやとりみたいな……からまって、引きちぎる自信がある!」
「キミはあやとりを引きちぎったことがあるのか? いいぜ、引きちぎっても」
「いいやだめだやっぱりだめだ。だってこれはグランツの最後の生き残りのおパンツなわけじゃないか。そうなるとプレッシャーだ。ぐぬぬ、冷や汗が……」