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    masasi9991

    @masasi9991

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    いちゃいちゃしてるだけのデググラ

    ##デググラ

    洞窟はひとりじめ ふう、と大きなため息をつくと、そんな音までボオンボオンと反響した。洞窟の中はいつも不思議だ。それともおれのため息がデカすぎたのか?
    「あっはっはっはっは! 疲れてきたみたいだな。ちょっと休憩にしようぜ」
     グランツの笑い声も大きく響いて聞こえる。あっちこっちでグランツが笑っているみたいでこれも楽しい。当の本人はおれのいる場所より一段下の岩盤にいて、まだケラケラ笑いながらおれに向かって手を伸ばしていた。
    「お昼……は食べたから、おやつの時間だ!」
    「そうしよう。わっ」
     グランツの手を引っ張って、こっちに登ってきてもらおうと思った。しかし予想外だったのか、登る前にバランスを崩させてしまった。
     崖は腰ぐらいまでの高さで、そう高くはない。おれはすぐにしゃがんでグランツの腰を掴んで抱き上げる。
    「大丈夫か? うっかりさせてしまったな」
    「あはっ、はははっ、くすぐったい。それにこんなふうに抱かれると、子供みたいだ」
     またケラケラ笑って、おれに手足を絡めてぎゅっと抱きついた。うれしそうな笑い声が耳元でも聞こえるし、洞窟の中に響いてあっちこっちからも沢山聞こえる。
     しかしこの沢山の笑い声も、今はこうして二人だけにしか聞こえていないのだ。なんてお得な!
     洞窟はいつも不思議で楽しい。
    「昼と同じ場所で休憩するのかと思った」
    「上にもいい場所があったんだ。それにお前に見てもらいたい鉱石がある! 掘り出す前に、ぜひとも。すごいぞ!」
    「キミがそんなに言うなんてきっととんでもなく素晴らしいんだろうな。ぜひとも見せてもらいたい」
    「きっとおまえの期待を裏切らない。だから存分に期待してほしい! あ、でも……やっぱりおやつが先だな」
    「フフッ、おれはそれが先でもかまわないが、キミはおれをそのいい場所に下ろすのが先かな?」
    「あっ! それもそうだな! じゃないとグランツを食べられない!」
    「……ふっ、あはははははははっ!」
     ンン? なんでグランツはまたそんなに笑い出したんだ? おれに抱きついたまま腹を抱える代わりにおれの背中を抱えて笑っている。もちろん実際に抱えられているのはグランツの方だ。そうやってグランツが笑っていると、作業着越しに肌が擦れ合って、笑い声がおれの中にも響いてくる。
     しかし一体がツボにハマったんだ? おれは何か言い間違いでもしただろうか。別にいつもと違うようなことを言った気はしなかったんだが。
     まあいいか。洞窟の中に響くおまえの笑い声を独り占めして聞くのは、とってもいい気分だ。
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