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    masasi9991

    @masasi9991

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    ドーナツを食べるデググラ

    ##デググラ

    ドーナツひとくち「むむっ、かけすぎてしまったか!?」
    「ドーナツってこんなもんじゃないか」
    「そうか? 食べにくくはないか?」
     むむむ、と唸って口をへの字にする。確かにキミはうっかり砂糖をかけすぎたのかもしれない。でもドーナツってのはこんなものだ、ってのも一理あるんじゃないか。そして食べにくいってのも、どんなドーナツでも一緒だ。
    「あはっ。口の周りを砂糖だらけにして食べるのが、ドーナツの醍醐味だろ?」
    「言われてみればそれもそうだ。罪な食べ物だなぁ」
    「あっはっはっはっは。ま、とにかく食べちゃおうぜ。もうおあずけはなしだ、待ちきれない」
    「ああ!」
     砂糖をまぶしている間もキミは幸せそうな顔。かけすぎた! と慌てた困り顔も、それはそれでイイ顔だった。おれが食べにくいんじゃないかと心配してる顔まで、全部たまらない。
     それに、さあ食べよう、とおれが促したときの嬉しそうな顔も見逃せなかった。子供みたいによろこんでる。キミが作ったドーナツだから、キミがいつ食べたって構わないってのに。
     砂糖まみれの大きなドーナツを大きな指でつまみ、指を砂糖まみれにして、あーんと口を開く。
     キミを見つめてるばかりじゃなくて、おれも残されたもう一つを貰おう。
    「一口目、特に気を使うよな。うまくかじらないと口の周りが砂糖まみれになる」
     ドーナツを食べるときは、いつも最初が悩ましい。丸くて岩のような大きな輪っかをしばし見つめた末、ひとまず控えめに一口をかじる。まぶされた大粒の砂糖も、外はサクサク、中はふわふわの生地の素朴な甘さも、どちらもガツンと美味い。
    「はは、どうやっても口の周りに砂糖がついてしまう!」
    「ん?」
     同意を求めてキミを見ると、キミが首を傾げる。そんなこと気にしていなかった、って顔。なによりおれが思い悩んで一口かじっている間に、キミはぱくっと一口で、輪っかの半分近くを食べてしまっていた!
    「あはっ、あっはっはっはっはっはっは!」
    「むむ? どうした? なにか楽しいことがあったのか? おれにも教えてくれ!」
    「ふふ、あははっ。いや、キミの作ったドーナツが美味しくて……あっはははっ、それに沢山ヒゲが付いてるぜ!」
    「んむむむ? おれは元々ダンディーなお髭が生えているはず」
    「新しく白いヒゲが生えたみたいだ。あとでおれに食べさせてくれ」
    「え!? 髭を!?」
     あとで、とは言っても全然我慢ができなくて、すぐにキミの顔に手を伸ばした。口の周りについた砂糖の粒を、指で取って口に入れる。もちろん、甘い。ドーナツの味。
     キミはそれでもまだ不思議そうに、しきりに首を傾げている。
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