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    masasi9991

    @masasi9991

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    おやすみなさいのデググラ

    ##デググラ

    狭くて困ってる 寝袋に入るときには順番が決まっている。おれが先に入ると、キミが入れない。まず先にキミにゆっくり入ってもらって、その後に横の隙間にお邪魔させてもらう。
     採掘での野宿のためにこの間買った二人用の寝袋、売り文句は「ゆったりサイズ」だったけど、キミと一緒に入るとその売り文句は完全に誇大広告になってしまった。寝返りを打つのも一苦労。だけどその分暖かいから、悪くはない。洞窟にしろ山にしろ、この季節のキャンプは冷えるから。
    「お邪魔いたします!」
    「あははっ、それじゃ逆だ。キミはもう入っているんだから、それを言うのはおれの方だ」
    「それもそうだな。ということはおれが言うのは……いらっしゃいませ!」
    「あっはっは! それもどうかと思うぜ! ふふ、お邪魔します」
    「おまえなら少しもお邪魔ではないぞ」
     もう寝る時間だってのにキミは最高に笑わせてくれる。あんまり笑ってると、洞窟でこれから眠ろうとしているモンスターたちに怒られてしまいそうだな。そうは思っていても、なかなか笑いをこらえきれない。
    「うわわわっ、わっ、それはっ」
    「やっぱりちょっと狭すぎるな」
     寝返りを打つのにも一苦労、とは言ったが、そもそも入るのにも一苦労だ。足から寝袋に入っていって、キミの顔にまたがったまま一息をつく。
    「これはまずい! この体勢はいけない!」
    「だってそこに入るにはこうするしかないだろう?」
    「むむむむむ」
    「ふっ、あはははっ」
     キミが寝袋をめくってさあどうぞ、と、自分の胸を叩いて誘ったからこうしてるんだぜ……という名目で、そこに乗っかるために最短ルートで入らせてもらっているってワケだ。パジャマ代わりの薄いショートパンツしか履いてないから、キミがそこで喋ったり唸ったりすると足の付根に息があたってくすぐったい。色々と堪えるのに必死でもある。笑い声は、我慢できてないが。
    「やはりいけないかな、ここにいらっしゃってもらうのは」
    「いつもどおり横に並んで寝るしかないだろうな」
    「ウーン、残念だ」
     キミがおれの股の間でシュンとしてしまった。
     冗談はこのくらいにして、いつもの通りにキミの横の隙間に潜り込ませてもらう。この寝袋は狭いには狭いが、無理やりキミの上に乗ろうとするよりは横に入った方が断然楽だ。
    「うっかりしてたわけじゃなかったんだな」
    「うん?」
     寝袋の中でしっかりキミの方に寄る。狭いから仕方がないんだ。寝返りも打ちにくいから、こうして最初に心地いい体勢になっておかないと。というわけでキミの腕により掛かる。
    「家で寝るときは時々そうするじゃないか。おまえがお布団の中でおれの上にこう、だらーんとしてこう」
    「ん。まあな。重くないか?」
    「全然全く! おれはあれが好きなんだ。柔らかくていいにおいがしてあたたかい、つまりグランツはふかふかのお布団に似ている。……ふが。スヤ……」
    「おいおい、急に寝るなよ」
    「む。……ふぁああ。お布団であたたまると一日の疲れがドッと……むにゃ」
     そもそもキミは布団に入ったら五秒で寝るタイプだったな。ここは布団じゃないとはいえ。
     おれもキミのお気に入りのお布団として、ちゃんとキミにぴったりくっついて寝なきゃな。
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