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    masasi9991

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    ホワイトデーのデググラ

    ##デググラ

    ホワイトデーのお楽しみ 今日は随分と大きな荷物を背負っているな、とは思っていた。それに家を出る前から上機嫌だ。荷物の中身は、教えてくれなかった。だからきっとおれがあっと驚くような素敵な何かが入っているに違いない。
     三月とはいえまだ寒く、日が暮れると山の上には雪もちらつき始めた。とはいえ、ひどくはならなそうだ。そんな日の野宿は結構楽しみだったりする。テントの前で燃やし始めた焚き火がかなりごきげんだ。焚き火を前に、鼻歌まじりで夕飯を準備するキミも同じく。
    「もうそろそろこれの正体を教えてくれって顔だな」
     小さな岩に腰掛けたキミが、大きな荷物の中から取り出した大きな袋をポンポンと叩きながら笑って言った。
     食事を作る間、キミはそれを焚き火から庇うように大きな背中の後ろに置いていた。時々、待ちきれないといった様子でチラチラとそれを見たり、袋の上から触って確かめたりする。しかしやっぱり焚き火には絶対に近づかないように厳重に……なんてやっているのを見ると、おれもすっかり楽しみでわくわくしてきた。
    「中身は一体何なんだ?」
     と、言ってみる。このやり取り、実はもう三回はやっている。キミは嬉しそうに含み笑いをしてはぐらかす。その笑顔が見れるだけで、もう充分だな。
    「そろそろ教えようかな……いや……やっぱりごはんが先だ!」
    「ははっ、そうだろうな」
    「うんうん、そうなんだ。うん?」
     焚き火の上で今日の晩飯がくつくつと音を立てている。スープの表面が揺れている。ちらつく雪の中にいい匂いと湯気がたっぷり漂い始めた。火が少し強くなってしまったかな? キミはまた、その袋を大切に背中に庇う。
    「お楽しみはごはんの後じゃないとな。でも……気になるだろう? 気になるよな?」
    「ああ、とっても気になる」
    「じゃあヒントだ! ええっと、ヒントか。今は何時……ではなくて、今日は何月何日でしょう!」
    「今日の日付がヒントなのか? いったいなんだろう? ……ふっ、あははははっ!」
     そこまで言われたらもう完全にわかってしまった。薄々、そうだな、キミの嬉しそうな顔を見てて、そんな気もしていたけど。今日は絶対に山で野宿をしようと言っていたのはキミだしな。
     山で野宿をすると、夜はいつもこんなふうに焚き火をすることになる。
     そこでキミが準備してくれたのは……。そういうお楽しみも、珍しくはない。特にまだ若い弟子たちを連れているときにはよくやることだ。
     だけど今日、二人っきりでってのには別な意味がある。と、思っていいんだよな?
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