ホワイトデーの夜「うーん、マシュマロって甘いんだな」
「あはっはっは、そうだな。二人で食べるにはあの量は多すぎたな。もうちょっと飯が多ければよかったんだが」
「うんうん。からい物がもっとあればもっと食べれたな!」
「ま、仕方がないな。残りは持って帰ればロッタナたちも喜ぶだろう」
「こうして目をつむっていると、みんなの喜ぶ顔がまな板に浮かぶようだ……」
「それを言うなら瞼の裏じゃないか? あはははっ」
「むっ、確かにここは瞼の裏……」
「あははははは! もうほとんど夢の中みたいだな」
「いやいやまだ起きているぞ。今日は待望のテントで野宿だもの」
「そんなに野宿が好きなのか?」
「しかし家のお布団も好きだ。どちらも楽しい。そしていつもここにおまえが居るし……む、むむむ、今日はいつもにもまして……近い!」
「んっふっふっふ、ベッドより狭いんだ。我慢してくれ」
「むしろグランツこそ、寝苦しくはないか? 大丈夫か?」
「大丈夫だ。キミの身体は結構柔らかくて……。ふふ……っ」
「そうだろうか? そんなことを言うのはおまえだけだぞ」
「おれだけは、キミのことそれだけ深く知ってるってことさ。ははっ……そうだ、バレンタインのとき、キミはしばらくおれのことをチョコレートって呼んでいたよな。覚えているか?」
「そりゃあもちろんだ。今も昔もこれからもおまえはおれのチョコレートだぞ」
「あははっ、くすぐったいな……」
「え! 変なところ触ったか!?」
「いーや。でも触ってくれても構わない。……なあ、今度はおれがキミのことマシュマロって呼ぼうかな。キミは柔らかくてマシュマロに似てるから」
「それはどうだろうなぁ? 確かに焼けて膨らんだりはしますけれども。でも柔らかさならおまえの方が、もっとじゃないか」
「んんっ、ふはっ、はははっ、そこはくすぐったい!」
「でもここが柔らかいぞ。でもマシュマロとは違うかも知れないな」
「あはははっ、あんまりされると、ふ、眠れなくなってしまう」