チョコバナナ「ただいま!」
「おかえり。って外で言うのは変じゃないか?」
「うむ? いやいやちっとも変じゃないぞ。おれとおまえが居るところは家でも外でも家みたいなものだ。それが採掘師というものだ!」
「あっはっは。言われてみればそうだな! で、そいつを無事二つ買ってきた、と。いいのか、もらっちゃって」
「おいしいものは、一緒がいいだろう?」
「そうだな。じゃあ……」
「あーん」
「あ、ちょっとまってくれ」
「んあ」
「立ち食いってのは行儀が悪いんじゃないか。いくらお祭りだからって」
「そうだろうか? たまにのお祭りだからこそみんな羽目を外して……」
「棒のついたものをこんな人混みの中で食べるのは危険だ。そういうのを弟子たちが真似しても困るだろう? ほら、あっちの方にひと気のない休憩所があったから」
「うーん。おまえがそう言うなら、そうした方がいいか。あっ、そんなに慌てて裾を引っ張らないでくれ! 服がびろびろになってしまう! それにトッピングが落ちないようそーっと持ち運ばなければ」
「キミは自分のことにはとても鈍いな……」