Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    masasi9991

    @masasi9991

    妖怪ウォッチとFLOとRMXとSideMなど
    平和なのと燃えとエロと♡喘ぎとたまにグロとなんかよくわからないもの

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🐟
    POIPOI 369

    masasi9991

    ☆quiet follow

    焼き芋を買いに行くデググラ

    ##デググラ

    忘れ物「ふっふふっ、あっはっはっは」
    「そんなに笑わなくてもいいじゃないか」
    「あははは! すまない! キミはやっぱり最高だな、と思ってさ」
    「最高……ムムム。まあそれほどでもあるのだが」
    「どうしておれの上着なんか大事に抱えて出て行っちゃったんだ? 財布と見間違えたか?」
    「さすがにお財布とおまえを見間違えたりはしない。お財布のことは、実はすっかりすっぱり忘れていた」
    「間に合ってよかった。キミにも、あの焼き芋の屋台にもな。ところでいま、おれとおれの上着を間違えなかったか?」
    「うん?」
     おれの指摘がちょっとわかりにくかったのか、キミは不思議そうに首を傾げた。それから大事そうに抱えたままのおれの上着に視線を落とすと、あっと大きな声を出して、そっと上着をおれの肩にかけた。
     キミを追いかけてビレッジを全力疾走したし、両手に焼き芋を抱えているから、こんな季節でも寒くはない……けど、キミの腕の中にあった上着はキミの体温であたたまっていて、それを感じるだけでなんとも言えない多幸感に包まれた。
    「おれはおまえを抱えて飛び出したつもりだったんだ。いつの間におまえはこんなに軽くなってしまったのかと大いに心配したけれども、ただのうっかりで本当によかった」
    「……ふっ、あっはっはっはっはっは! 本当におれと上着を間違えていたのか!」
    「だっておまえと一緒に焼き芋を食べたかったんだもの」
    「キミのそういう優しいところ、なにより最高だ」
    「むむ」
     照れてうなったキミの肩に、ちょっとだけ寄りかからせてもらう。額を押し付けるように。この焼き芋を抱えてなけりゃ、腕を組んで歩きたいところだが。ま、仕方ないか。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works