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    masasi9991

    @masasi9991

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    道タケ漣のキスの話

    ##道タケ漣

    いくつかの噛み跡 熱くて、柔らかくて、気持ちいい。濡れて滑って、どんどん唾液が溢れて、脳みそまで溶けそうになる。円城寺さんの味がする。ざらついた感触で神経がしびれる。
     眼の前が、ちかちかする。他のこと何も考えられなくなりそう……だけど、アイツの目が、気になる。多分こっちを見てる。それで気が散って、でも円城寺さんのキスでまた意識持ってかれそうになって、でもアイツのことも気になって、頭がくらくらする。
     俺の視界は円城寺さんでいっぱいで、アイツの姿は見えないんだけど。
    「んふ……っ、はぁっ、れーん!」
     円城寺さんの唇が急に離れた。少し乱れた呼吸の合間で、アイツを呼ぶ。
     円城寺さんのその困りきった、だけど嬉しそうな声、好きだ。ちょっとだらしなく緩んで響く。俺はあんま円城寺さんを困らせたりしないから、こっちに向けられることは少ないけど……アイツがいれば聞けるから、いい。
     で、そのアイツは? すぐに見つけた。
     円城寺さんの背中にしがみついて、首筋を噛んでる。
    「そう拗ねるなよ」
    「拗ねてねェ」
    「オマエ、さっきはしたくねーって言ったくせに」
    「アア? してーとも言ってねーし!」
    「っ、いてて……漣、噛むならそこじゃないとこがいいな」
    「……こんぐれーで泣き言とか、らーめん屋もヒンジャクだな」
     コイツにしては珍しくちょっとバツの悪そうな様子で口をとがらせ、歯を立てていた円城寺さんの首筋から口を離した。
     薄っすらと歯型がついて、濡れている。もともと浅黒い円城寺さんの肌の色でわかりにくいけど、少し赤くなっていると思う。
    「歯型、残ったらどうすんだ」
    「あはは、このくらいちょっとしたら戻るよ。心配してくれてありがとうな。だけど漣、そんな所よりこっちを噛んでくれないか?」
    「はぁ?」
     円城寺さんがわざとらしく唇を尖らせて、肩越しのアイツに聞く。こっちって、要するに唇のことだ。アイツがなんで拗ねてるのか、っつーとそういうことだし。
     アイツは心底嫌そうな声を出したけど、そのくせじっと円城寺さんのことを見つめて、なにか言いたそうに唇を震わせた。
    「やだ」
     で、出てきたのは多分思ってんのと逆のこと。コイツ素直じゃないから。でもそのマジな反応がわかりやすい。と、俺は思うんだけど。
    「じゃ、タケルの方?」
    「……いや、それは違うだろ」
     円城寺さんだってわかった上で言ってんじゃねーのか。俺がわかってること、円城寺さんにわかってないはずねえし。
    「でも漣は自分ばっかり噛むだろう? つまり、タケルを独り占めしてる自分に嫉妬している、と」
     ……わかって、からかおうとしてんだよな。
    「ハァア? 何一人で頷いてんだ! 嫉妬とかあるわけねェ!」
    「つーか逆じゃねぇのか。俺がコイツに噛まれないのはつまり」
    「タケルも漣に噛まれたいか?」
    「いやそういうことじゃなくて……」
    「チビは小さくて食いがいがなさそうだから見逃してやってんだよ。らーめん屋はウマそうだから食ってやってる。そんだけだ」
    「ひどい言い訳だな」
    「自分にはタケルも美味しそうに見えるけどなあ。それに実際うまい。漣と同じくらいにな」
    「ハ?」
     ソイツはさっきから掴んでいた円城寺さんの肩をさらに力いっぱい握りしめた。言い返されるとは思ってなかったらしい。指、めり込んでんだが。
    「らーめん屋、きめぇ!」
     んでそれも半分ぐらいは逆の意味だっつーのは、顔赤くなってるのでわかる。完全に顔に出てる。肩越しだけど、円城寺さんからもしっかり見えてるはずだ。何もごまかせてない。
    「それ、円城寺さんが言うと本気っぽく聞こえる」
    「そりゃもう本気で言ってるからな。いたっ……れーん、うまかったか?」
     また新しくできた噛み跡を指でなぞりながら、円城寺さんは笑ってる。で、ソイツはさらに恥ずかしがって茹でダコみてーに真っ赤になってる。円城寺さんのこういうところ、ほんとにかなわねーなと思う。
     つーか俺にも流れ弾当たってんだよな。顔熱いかも。
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