君が好きオレンジ色の眩しい光が同級生の顔を照らしている。
それがとても神秘的に思えて、水木はその横顔をじっと見つめていた。
二人以外は誰も居ない教室の窓に寄り掛かり、グラウンドから聞こえる部活動の声をBGMにしながらぼんやりと過ごしている。
毎日じゃないけれど、水木はこの時間が一番好きで大切にしている。
これからのことや勉強のこと、クラスメイトの話していたこと、ゲームや音楽の話、その他愛もない時間が水木には何よりも変え難く、愛おしい時間だ。
話も途切れて、でも何だか物足りなくてまだ帰りたくなくて、水木は窓枠に肘をついて左の頬を伏せる。
青年も右隣でただグラウンドを眺めているだけで何も言わない。
水木は青年をじっと見つめる。
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