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    Rahen_0323

    @Rahen_0323

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    Rahen_0323

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    カキツバタとタロとライバル。ネタバレ、捏造、妄想、自己解釈注意。特に捏造と自己解釈が激しいです。嫌なモブも出たりします。CPではありません。
    kktbtの日参加作品5作目です!1〜4作目と繋がりは無いので単体でも読めます!

    好敵手と書いてある日のブルーベリー学園、放課後。
    私タロは、今日の仕事を済ませようとリーグ部部室へ向かっていた。
    「はぁーっ…………」
    ただ、週末な為に疲れも溜まっていてあまりご機嫌とも言えず、『どうせまたあの部長は授業も仕事もサボってるんだろうな』と溜め息を零しながら静かに廊下を進んでいて。

    そんな時だった。一つの教室から、楽しそうと言うには少々品の無い笑い声が聞こえたのは。

    「ねー聞いた?カキツバタくん、今日もアオイちゃんとバトルしてたんだって!」
    「聞いた聞いたー!ていうか私観戦してたよ!」
    「マジで?羨ましー」

    「……………………」
    興味というか、シンプルに内容が気になり足を止めた。
    盗み聞きなんてそれこそ行儀が悪いけど、でもなんだか、カキツバタとアオイさんのポケモン勝負が話題に出てるのが引っ掛かって。
    (別に、二人が仲良しなことにどうこう言う気も理由も無いけど)
    なんとなく彼女達の会話のトーンに良い予感がしなかった。まるで誰かをバカにしてるみたいで。
    陰口を叩くつもりなら見逃せない。アオイさんのことなら尚更。カキツバタ……も、あんな男だけど誹謗中傷される謂れは無い。
    バレないよう、目立たないよう、ポーチの中身を確認する振りをして耳を欹てた。

    「カキツバタくん、この間のバトルでチャンピオンに勝ったんだっけ?」
    「そうそう!凄い盛り上がっててさあ!」
    「あんなハイレベルなバトル初めて見たわ」

    「あの二人、もうすっかり『ライバル』って感じだよね!」

    ……ライバル。そう、二人はライバルだ。

    カキツバタが口にしたところは目撃してないけど、アオイさんは「カキツバタ先輩は親友でライバル!」とよく嬉しそうに言っている。
    実際アオイさんはパルデアでも一度しか負けたことが無く、ブルーベリー学園でさえ彼女に勝った人間はカキツバタ一人だけらしい。トレーナー人生でたった二敗しかしていない彼女にとって、学園でライバルに相応しいと思えるのはカキツバタくらいなのかもしれない。スグリくんには気の毒だけど。
    ……彼女はあのチャンピオンランクのネモさんや、トップチャンピオンオモダカさんさえ余裕で下していたと聞く。チャンピオン戦でテラスタルを使ってなかったとか、そういった話も。

    アオイさんは勝敗とか強さだけで決める人じゃない。ネモさんもライバルって言ってたから、他意は無いのだろう。

    でも、カキツバタは?

    「なんかさあ、タロちゃんとかスグリくんよりよっぽどライバルらしい組み合わせだよね、あの二人!」
    「最強と最強だからねえ。しかもちゃんとお互いがお互いに勝ってるし?」
    「カキツバタ先輩、パルデアに行くかもって噂もあるよね」

    彼と私はライバルだと思ってたのは、もしかしたら、私だけなのかもしれない。

    ぼんやりと、私なんてハナから彼の眼中に無いんじゃないかとは感じてたけど。他人の目から見てもそうだ、なんて言われたら、流石に凹んでしまう。

    (言い返さないと。私の為じゃない、あの子達スグリくんや皆のこともバカにしてる。皆の為に言ってやらないと。カキツバタとアオイさんだって、こんなコソコソ噂されて気持ちいいわけないんだから)

    …………そうドアに手を伸ばしたのに、今だけはズカズカ入る元気が無くて。
    私は結局踵を返して、部室に行くのも止めテラリウムドームへと足を向けた。
    「あれ?タロじゃねーの」
    途中であのちゃらんぽらんとバッタリ出会してしまったけれど、私は目を背ける。
    「……なになに、どーしたい?浮かない顔してんねぃ」
    「カキツバタには関係無いから」
    「へ?」
    「放っといて」
    「ちょっ、た、タロ!?」
    彼は心配してくれたのに、冷たく突き放して逃げてしまった。
    あの白い髪は追って来なくて、益々悔しくて唇を噛む。

    別にいいですよ。分かってましたから。最強の貴方のライバルに相応しいのは、強くて可愛いアオイさんだけだって。

    パルデアに行きたいなら止めません。だって貴方は楽しいことが一番だものね。止めません、止めないよ。


    でも、やっぱり……………


    「くやしい」















    コーストエリアで気晴らしをしようと横になり、ぼんやり天井を見上げる。ここはいつも暖かくて穏やかだ。
    ……なんとか泣くのは我慢したけれど、後輩も守れないなんて情けない。こんなんじゃカキツバタが目もくれないのは当たり前か。
    「カキツバタと、アオイさんがライバル、かあ…………」
    学園で一番カキツバタと戦ったのは私だ。自信を持って言える。
    アオイさんも、私の方がカキツバタより先に見込んでた。偶々とはいえ、シアノ校長に案内を任されたりした。
    二人共、私がいつか倒したいと思う目標に近くて。
    「もうどっちに嫉妬してるのかよく分からなくなってきた」
    顔を両手で覆い、自分の情緒のワケの分からなさに呆れ果てる。
    二人は強い。強くて、ポケモンを愛してて、そしてなによりいつもバトルを楽しんでいる。どれだけ相手と実力の差があろうと完勝しようと、決して敬意を忘れない。勝負だけでなく心も強い人間だ。
    確かに勝つことに執着していたスグリくんや、可愛いが強いと見せつけたい私とは違い過ぎる。
    「でも……私だって、私達だって…………」
    ……カキツバタ、勝ち逃げする気なの?私達を叩きのめしてその上でリーグ部に気を回しておいて、なのにパルデアに行くって?
    腹立つ。やっぱり逃げて欲しくない。逃したくない。

    でも彼の人生は彼が決めることだ。散々授業に出ろだの卒業しろだの言っておいて引き留めるなんて、矛盾してる。

    「…………もうイヤ……」
    考えたところで意味なんて。
    そう強引に持ち直そうとした矢先、ポケモンの羽ばたく音がした。

    「おー居た居た!おーいタローっ!!」

    「え…………カキツバタ!?」
    見てみれば、カキツバタがカイリューに乗って空から手を振ってきていた。
    なんでここに。彼は暑がりだからコーストにはあまり近寄りたがらないのに。サボり……にしては、私の所に来る意味が分からない。
    まさか、私を探しに?わざわざなんで?
    戸惑っていればカイリューはゆっくり高度を下げ、カキツバタは飛び下りる。そのままこちらに近づいてきた。
    「いやー見つかって良かった良かった!当てが外れちまったらどうしようかと」
    案の定「あちー」と汗を拭いつつ、彼は起き上がっていた私の傍に腰を下ろす。
    「な……なに?私になにか用なの?」
    「おいおい、そりゃねえだろぃ。あんな急につめたーくされたらツバっさんでも気になりますぅ」
    「…………それは、ごめんなさい」
    実際カキツバタが悪いわけではなかったので、素直に謝った。
    すると彼はキョトンとした後、頭を掻く。
    「いやまあ、謝って欲しいとかじゃねーよ?心当たり色々あるし」
    「今日も授業サボったんだ」
    「うっ、あー、……はい………」
    そうしょぼくれながらも、それはそうとなんて切り替える。
    「タロが弱火なのは珍しいねぃ。なんかあった?」
    「…………カキツバタこそ、そんなに直球で訊くなんて珍しいですね」
    「お悩み中の後輩に回りくどい言い方はしねえさ」
    「私もう後輩じゃないんですが」
    「今そういうのじゃなくてー。なに?そんなに言いたくない?流石のオイラもこのタイミングで揶揄ったりなんてしないぜ?」
    「…………知ってる」
    カキツバタは本気で悩む人をバカにしたりしない。どれだけしょうもなくても、笑い飛ばすことはあれど嗤うことは無い。軽薄でいい加減な人だから誤解され易いけど、実はそこそこ優しいんだ。
    特に私達、リーグ部員には。
    「……もしかして、マジでオイラなんかしちゃった?」
    「ち、違います!」
    黙っていたら彼も本気で反省しそうになって、私は咄嗟に否定する。
    「カキツバタは、なにも悪くないです。私が勝手に落ち込んでるだけで…………」
    「でもきっかけはあったんじゃねえかい?」
    「っ……別に………」
    「それとも、オイラなんかにゃ話せないかい?」
    「……!!そうじゃ、なくて!!」
    思わず声が大きくなった。自分"なんか"とか、言わないで欲しかったのに。
    ああもう、ダメだ。ちゃんと言わないと。そもそも私が冷たくした所為なんだから。納得させないと、本当に……
    「…………教室で、話してる子達が居て。貴方とアオイさんが、『ライバルらしい組み合わせ』って、言ってて」
    「へ???あー、確かにキョーダイはオイラとライバルってよく言ってっけど……え???それで落ち込むことある???」
    「……私やスグリくんより、よっぽど見えるって」
    「は、はあ!?なんでぃそりゃあ!?」
    「あと、カキツバタがパルデアに行っちゃうとか……」
    「それこそなんで!?そんな予定無えよ!?!?」
    小声で吐き出したら、カキツバタは逆に大声で困惑した。
    「確かにしょっちゅうやってるしキョーダイも言い回ってるしでオイラ達ライバルかもしんねえけど!!だからってタロとスグリがダメとかそんなことあるわけねーって!!」
    「……学園でアオイさんに勝てたのは貴方だけですし、私は貴方に勝ったこと無いでしょう。客観的に見たらそう感じてしまうのも仕方な、」
    「仕方ないこたねえだろい!!ていうか、あー……!」
    彼は唸って頭を抱えて、やがて渋い顔で私を指差す。
    「あのな?オイラはタロのことライバルだって思ってんだけど?まさかタロさんは違ったんですかー?」
    「え?」
    は?ライバル?私が?
    カキツバタの……?
    いやでも、カキツバタは私のことは、
    「はぁーっマジで?ショック〜ヘコむわあ〜〜」
    「ち、ちがっ……!!むしろカキツバタこそ、私のことライバルだって思ってくれてたの!?」
    「勿論よ。つーかタロ以外に誰が居るってんだ」
    ハッキリと肯定され、私は混乱した。
    完全に認めるのは癪だけど、カキツバタは強い。多分そこらのジムリーダーと同等か、それ以上の実力はあると思う。私だってジムリーダーの娘だから、この目に狂いは無い。
    だからこそ、彼に勝てない私や他の皆は……見下されてるとまでは行かなくとも、何処か諦められてるんじゃないかって思ってた。スグリくんでさえ、アオイさんほど楽しませることは不可能なんだって。
    しかしカキツバタは、恥ずかしそうにしながら言う。
    「正直よお。入学したての頃とかは退屈だったんだ」
    「退屈?学園が?」
    「そ。皆強くなるのに必死過ぎたし、勝負楽しむ様子も無いし?その割にオイラがあっという間にチャンピオンになっちまって、何度か勝っただけで向かってくるヤツも居なくなって、つまんなかった。……それでもあそこよりはマシかなーみたいな感じで一回留年してみたんだがよ」
    「試しにやることじゃないですよ、留年って」
    「まーまー。……その時くらいかな?ゼイユやネリネが入学したの」
    一体なんの思い出話だ、こんな急に。
    ハテナを浮かべる私を他所に、カキツバタは手を叩く。
    「あの二人ってばまー面白くてよお!揃って自信家で真っ先にオイラに向かってきたんだ!」
    「えっ?ゼイユさん、はともかく、ネリネ先輩まで?」
    「ネリネも元々強いからねぃ。入学前の経験でなんとなく勝てるって思っちまったんだろ」
    「で、その勝負の結果は」
    「オイラの勝ちだったな。それはもーボッコボコにしてやった!」
    「うわあ……新入生相手に……」
    「手加減ってのは一番失礼なやり方だからな。とはいえ流石にやり過ぎたかなーって思ったら……」
    「思ったら……?」
    「ゼイユは泣きながらブチギレて、ネリネは宣戦布告してきたね。『次は絶対勝つ!!』的な?」

    久々だった、そんなこと言われたの。

    何処か遠い目をする彼は、今となっては心底楽しそうだけど。

    強者の苦悩、というやつかもしれない。ネモさんやアオイさんも時折同じ目をしていたのを憶えてる。

    「結局オイラから一勝も取ってくれなかったけど?でも二人は……負けることを当たり前にしなかった。そんで、タロも来たのよ」
    「私、ですか」
    「そ!お前さんも『可愛いが最強なんですよ!』ってオイラに挑戦したの憶えてるぜーい!」
    「うっ、あー、そんなこともありましたね……」
    「まあ今とあんまり変わんねえけど」
    「うるさいです」
    「……お前さんもまあ、"まだ"オイラに勝ってないけど?でも、毎回毎回ガチで勝つつもりで来てくれた。負けて悔しがってもそこで立ち止まらなかった。簡単なことのようでそうでもないんだぜ、それ」
    「そう、ですかね……」
    「そうなのよ。……嬉しかったなあ。三人共、どんどん強くなってガンガン挑んできて。ゼイユは非公式試合ばっかだったけどよ。ここなら楽しくやっていけるな、って」
    そんな風に考えてたなんて知らなかった。知らなかったけど、確かに入学してからずっと『カキツバタには勝てない』という空気はあった。

    あの頃、誰より孤独だったのはカキツバタだったのかもしれない。

    「オイラもあの人達と比べりゃあ大したことないのに、諦められるってのはキツいんだぜ」

    「…………………………」
    "あの人達"……お祖父さんやお義姉さんのことだろうか。
    「だから、んー、特に一番戦ったタロはライバルだって思ってんでぃ。勝敗とかそういうんじゃない。お前さんのお陰でオイラも入学当初より強くなれたんだ」
    「…………私が、カキツバタを強く………」
    「それでもスグリには負けたけど、だから無駄だったわけでもない。……アオイがライバルだってのも否定しないがな、ライバルなんて別に一人だけじゃねーとダメなんて決まり無いだろぃ?だから二人共ライバル!オイラはそう思ってる!」
    ふと、カキツバタがかなり必死に言い聞かせようとしてると気付いた。
    もしかして、そんなに私とライバルじゃなくなるのが嫌とか?私を引き留めたいって?
    貴方に並ぶ対等な立場は、本当に私でいいの?
    「…………タロが嫌ならいいけどよ。お前さんにまで諦められるのは、あんまり……」
    「嫌じゃないです!!」
    「うおっ!?」
    私はさっきまで抱いていた陰鬱な気持ちがあっという間に吹っ飛んで、カキツバタに詰め寄った。
    「私も!!貴方とライバルがいい!!出来ればずっと!!」
    「ず、ずっとお!?いやいや、そこまで無理に付き合い続けるのは、」
    「無理じゃないです!!私も、きっとアオイさんも!!卒業した後も一生貴方とライバルで居たい!!……一緒じゃなくても、別々の道に進んでも、いつまでも高め合う。それが好敵手ってやつでしょう?」
    笑って見せたら、彼は両手を挙げて目を逸らして。
    やがて「ソウデスネ」と頷いた。
    「はぁー、良かったあ……じゃあこれからもよろしくお願いしますね!絶対に貴方より強くなってみせますから!」
    「……そりゃいいや。期待してますぜ」
    拳を突き合わせて、手始めにこの男の負け顔を見てやろうとほくそ笑む。ずっと勝ちたいと思ってたけど、俄然やる気が湧いてきた。
    「…………ところで、オイラがパルデア行くなんて意味不明な噂の根拠は……?」
    「え?あー……何処なんでしょうね。この間オモダカさんが貴方をスカウトしたからでしょうか?部室で人の目もありましたし……」
    「あーーーー」
    「それにアオイさんとあんなに仲良しなんですから、拍車が掛かっちゃったのかも。……というか、リーグ委員長直々にスカウトされたのに行かないんですか?勿体無い」
    「ウチもウチで色々あるんですー……リーグとか面倒くせえし……」
    「? ふーん」
    あまり進路について話す気は無いようだ。カキツバタは立ち上がって伸びをした。
    私も続いて起立する。
    「そんじゃ、誤解も解けたっつーことで!オイラはこれにて、」
    「ちょっと待ってください?そういえば部長の仕事は?」
    「…………………………」
    「カーキーツーバーター???逃がしませんよ???」
    「あ、あー、タロさん、今日はちぃと見逃し、」
    「はい来る!!見逃すもなにも毎日逃げてるでしょう!!今日という今日は真面目に働いてもらいますよ!!」
    「えーーーん」
    私はすっかり元の調子に戻り、カキツバタの腕を引っ掴んで部室へと連行した。

    うん、私達はこうでないと。辛気臭いのは似合わないですね。

    「仕事が終わったらバトルしますよ!」
    「! うーん、そうだねぃ。仕事前の方がやる気出るかも?」
    「その手には!!乗りません!!」
    「あれまー。……分かりましたよっと」
    いつもみたいに駄々を捏ね続けることも無く、それでいいと笑った。カキツバタも「すっかりご機嫌だなあ」と苦笑いを浮かべる。
    そして二人部室に座って、いつもより明るくマトモに仕事を進め、それからライバル同士の楽しいバトルに興じたのだった。
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    mitotte_kazu

    MAIKINGフラダンスを生で見る機会があって感動したので🦍🐇で書いたやつ。思いついたら続くかもしれない
    舞踏 トントントントン、とヴィエラの長い脚がリズムを刻むようにステップを踏む。一定のリズムで四拍子を刻みながら、すらりとしなやかな腕を広げたり、揺らめかせたりしていた。両手で大きな弧を描いたかと思えば滑らかに手首を揺らし、緩く何かを包むように両掌を揃え、翻しながら舞っている。頬杖を突きながら無言で見入っているルガディンに時折顔を向けながら、指先に視線を移したり目を伏せたりする。周囲の踊り子達に比べて場数や経験も足りていないため拙さは多少感じられるものの、それを差し引いても目を引く姿だった。

     きっかけはたまたま訪れたメリードズメイハネで伝統の舞踏が披露されていたところだった。話を聞くと観光サービスの一貫で時折行われているらしく、ヴィエラとルガディンは思わず感嘆を漏らす。近く行われる予定の祭典でのお披露目前に新人の踊り子達が人目に慣れるように、との理由で行われていた事だった。軽食と飲み物を待ちながら数曲を演者を変えつつ行われる公演を眺める。華やかな舞踏と音楽と共に届いた食事を堪能する。
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