僕たちが出会って一年ほど経ったある日。僕はついに、彼に自分の使命と「無音の友」になってほしいという旨を伝えた。
信じていたとおり、彼は僕のことを理解してくれた。けれど、彼は少しだけ時間が欲しいらしかった。僕は彼と相談し、その日は一ヶ月後に決まった。それまで、僕たちはいつものように手紙を送り合っていた。
その中で、僕は彼の最後に尽くすため、彼に質問をした。例えば好きな花や、大事な物について。そして、最後に見ておきたい景色。その質問への彼の答えは『特にありません』だった。僕は彼に『ならば探してみるのはどうか』と提案してみた。彼からの返事は『よければご一緒してくれませんか』だった。断る理由はなかった。そして、僕たちは二人で出かける約束をした。
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