星送りかる〜いお話
今日は星送祭。
星の欠片に願いを込めて空へと送る日だ。僕はもう星を送り終え、一人で出店でも回ろうかと考えていたとき、誰かが僕の袖を引っ張った。
「姉さん、助けてくださいよ〜。」
兄弟が、こちらを上目遣いで見ながら、助けを求めてきた。きっと星の欠片を上手く送れないのだろう。
「どうしたんだ、兄弟?コツならさっきも教えただろ。」
「そういう問題ではないんですって!」
「はは、そう怒るなって、何回でも教えてやるから。」
「はい、お願いします!」
兄弟はそう言って手のひらの星の欠片に魔力を込め始めた。
そして一瞬だ光を発した。が、すぐに光は弱まり、兄弟手のひらにポソッと落ちた。
「...またです。何回やってもこれなんです。」
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