Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ユキ❄

    ☆quiet follow
    POIPOI 178

    ユキ❄

    ☆quiet follow

    ◤ 𝐂𝐚𝐥𝐥 𝐨𝐟 𝐂𝐭𝐡𝐮𝐥𝐡𝐮 𝟔𝐭𝐡 ◢

    路地裏月読事件

    ▍𝐏𝐋/𝐏𝐂 (継続)

    𝐊𝐏𝐂 裏社会の探偵 (ユキ)
    ▹▸ 氷川 詩乃

    𝐏𝐂 闇医者 (ななくさ)
    ▹▸ 一ノ瀬 凪雲

    2023/9/9 ▷▶︎▷ 𝐒𝐓𝐀𝐑𝐓

    Tap to full screen (size:5120x2880).Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    60_chu

    DOODLE過去作

    カヅヒロ
    シンデレラは12センチのナイキを履いて まるで二人にだけピストルの音が聞こえたみたいに、まるきり同じタイミングでカヅキとヒロは青信号が点滅し始めたスクランブル交差点に向かって走っていった。二人はガードレールを飛び越えてあっという間に人ごみに消えていく。さっき撮り終わった映像のラッシュを見ていた僕は一瞬何が起こったかわからなくてたじろいだ。
    「速水くん達どうしちゃったのかな?」
     僕の隣で一緒にラッシュを確かめていた監督もさっぱりだという風に頭を振って尋ねてくる。
    「シンデレラに靴を返しに行ったんですよ。ほら」
    はじめは何がなんだかわからなかったけれど、僕はすぐに二人が何をしに行ったのか理解した。
     赤信号に変わった後の大通りにはさっきまであった人ごみが嘘のように誰もおらず、車だけがひっきりなしに行き交っている。車の向こう側から切れ切れに見える二人はベビーカーと若い夫婦を囲んで楽しそうに話していた。ぺこぺこと頭を下げて恐縮しきっている夫婦を宥めるようにヒロが手を振った。その右手には赤いスニーカーが握られている。手のひらにすっぽりと収まるぐらい小さなサイズだ。カヅキがヒロの背を軽く押す。ヒロは照れたように微笑んで肩をすくめるとベビーカーの前に跪いた。赤ちゃんは落とした靴にぴったりの小さな足をばたつかせる。ヒロはその左足をうやうやしく包んで爪先からスニーカーを履かせていく。
    1230