R-18 すいかん「あ」
出陣指揮の最中に政府からの電報を受電し、審神者はくるりと振り返った。
部屋の中には、本日近侍の巴薙刀、後藤藤四郎、あと、休憩のための薬草茶を差しいれてくれた実休光忠が居る。
「丁度良かった、実休。明日、修繕屋さんが補給に来るんだって。今日中に離れを用意しておいてもらえる?」
「わかったよ」
修繕屋には政府の敷地内に用意された修繕屋の居宅があるのだが、彼女の不動が当本丸の薬研に遠征時に使う軟膏や薬を依頼しているらしく、備蓄が尽きてくると受け取りのため定期的に訪問の申請が届くのだ。
修繕屋と聞いて、すくっと立ち上がった実休に、しかし審神者がステイを言い渡した。
「でも、修繕屋さん遠征帰りで疲れてるみたいだから、ゆっくり休ませてあげて。滞在中は、離れに入り浸ったら駄目だよ」
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