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いつも通り日中の勤務を終え帰宅する。
シャワーを浴び終え、濡れた髪を拭きながらリビングのソファに腰を下ろした時、
「ロトロトロト…」
不意にスマホロト厶の通知音が鳴った。
ポケットから取り出して確認すると見慣れた発信者名と件名が目に入る。
ことはない、空飛ぶタクシーの予約メールだ。
予約名:アルバート・ハインライン
日時:〇月〇日 17時〜17時40分
場所:〇〇シティ
目的地:〇〇タウン
人数: 1人
運転手指名:アーノルド………
画面をスクロールしながら要項を自身のスケジュールと照らし合わせて確認していく。
特に指定はないのにテンプレート形式で書かれた文面からは依頼主の性格が感じられて自然と口角が上がる。
依頼主、アルバート・ハインラインとは知り合って1年そこらといったところだ。
初利用で相棒と俺の仕事ぶりを気に入ってくれたらしく、以来ガラルで用事があるとご指名で利用してくれている。
突発的な出張が多いようでいつもは当日や数日前に依頼が来るのだが、今回は1ヶ月近く早い。
研究発表だとか何か大きい仕事でもあるのかと思いつつ、予約文の最後の項目…普段は空欄で送られてくる[備考]の欄に、珍しくなにか書かれている事に気づいた。
[当日18時以降の予定は空いていますか。]
驚いてスマホを落としかける。
長時間の予約の相談…?なら利用時間に書いてくるはずだろ…業務時間かどうかってことか…?
質問の意図を汲めず混乱する。
いや汲めない訳じゃない、どう見たって個人的な用事に誘う時の定型文だ。
示された時間は平時の終業時間。加えて目的地に指定された場所は今俺がいる場所、自宅のある町である。
タクシーか人手の必要な要件があるのか…まさかとは思うが俺個人に何か用事があるのか…?
考えを巡らせるが答えは出ない。
とにかく返信をしなければとスマホのキーボードに指を走らせ始めた。
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というpk世界ハイノイ初オフデート(おゆはん)の導入。
出会いはハさんが急ぎの用事でノさんタクシーを初利用した時、上空野生ポケモントラブルであわや遅刻(どころか辿り着けないレベル)だったところを驚異の運転テクニックで時間通りに送り届けたため気に入ったので以来ガラルの移動をお願いしている。
ハさんはノさんを技量から気になるようになったんだけど、利用するうちに自分の周りにいなかったタイプの反応をしてくれるノさんに惹かれていく。笑った顔や照れた顔がかわいいと思うようになるといい。
ノさんはご贔屓ありがたいと感謝しつつ、初回はほぼ無言だったハさんが段々と雑談…どころかめっちゃマシンガントークするようになって(ついていけるかはともかく)面白いなと気に入っている。あと顔がいいと思っている。
これ以降ご飯やオフのお誘いが来るようになってまさかな…?と思い始める。しかし一介の運転手を高名そうな技術者さんがどうして??という疑問が拭えない。
ハさんはガラル出身パルデア在住。
その界隈では名の知れた技術者で、パルデア、ガラル、カロス、イッシュ辺りを飛び回ってる。どうにかガラル出張やら休みやらもぎ取ってノさんに会いに行くので健気。
そのうちノさんに「パルデアの空飛ぶタクシーを見てみませんか」とパルデア宿泊デートに誘う。その時にノさんが野生パモさんを拾う話があるかもしれない。
空飛ぶタクシーってどういう勤務形態か謎いんですが、このノさんは個人タクシー的な感じで考えてます。会社もありそうだけど個人への予約メールとかできないだろうし。
昔企業所属で今フリーの運転手とかかも。
付き合ってしばらくしてハさんが「僕の専属になりませんか?」と聞いてくる。
ノさん的に色んな人色んな場所と関われるタクシー運転手を辞めるつもりはないので断るし、ハさんもわかった上で聞いてるので笑いながら「冗談です」って済ませる。ちょっと寂しいけど。
一緒に暮らしたいけど、ガアはパルデアでは仕事できないのとハさんが各地飛び回ってるのがネック。
ハさんテラスタル研究とかしてたら拠点動かしづらいしなぁ…。地方特性関係無ければハさんがガラルに引っ越すんだけど…。
逆にパルデア以外なら今までタクシーない地方でも活動できる可能性あるから、どうにかハさんに腰落ち着けてもらって2人一緒になってもらおう…。