先輩後輩、同級生「明日叶ー。あーすかー」
「…………ん……」
体を揺さぶられる感覚に瞼をそろそろと開く。
ぼやける視界の先に制服を着た眞鳥さんがいた。
「……まとり、さん……? なんで……」
昨夜は泊まってないはずなのに、どうして俺の部屋にいるんだろう。
鍵をかけてても入ってくるのは、いつものことだから気にならないけど……。
何か用事があるんだろうか?
問いかけようとした瞬間、悪巧みをしている最中特有の不敵な笑みを向けられ、背筋がぞくりと震える。
「夜這いに来ちゃいました〜」
「よばい……っ、え……!?」
突然の大胆な発言に驚いてベッドから飛び起きると、カーテンの隙間から薄らと差し込む陽の光に気づいた。
「なんちゃってー。冗談ですよ」
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